リビングのすぐそばに、愛犬のための部屋。この家では、LDKの一角にドッグルームを設けています。
勾配天井の明るいLDKから、ウッドデッキと人工芝の庭まで、人と犬が同じ時間を過ごしやすい工夫が随所にちりばめたこだわりの平屋を外観から玄関、LDK、水まわり、そして庭へ。家の中を歩くように、順にご紹介します。
愛犬と同じ空間で過ごす平屋
人と犬が、同じ空間で無理なく過ごせること。この家の設計で大切にしたのは、そのバランスです。
LDKの一角には、開け閉めできるドッグルームを設けました。リビングやキッチンから目が届く位置にありながら、犬が落ち着ける囲われた場所にもなっています。
窓の先には、ウッドデッキと人工芝の庭が続きます。デッキと庭はスロープでつながり、室内から屋外への行き来にも犬との暮らしを考えた工夫を重ねています。

二つの片流れ屋根が重なる外観
高さを変えて重なる、二つの片流れ屋根。シンプルな形ながら、屋根のずれが陰影を生み、平屋らしい低く伸びやかな印象をつくっています。
外壁は、明るいグレーと深いネイビーの二色です。軒の裏に木目調の仕上げをのぞかせ、落ち着いた色合いにやわらかさを添えました。建物の前にはカーポートを設けています。

カーポートから続く玄関アプローチ
カーポートの屋根の下を抜けると、そのまま玄関ポーチへ。車を降りてから玄関まで屋根の下を通れるので、雨の日でも濡れにくい動線です。
木目調の玄関ドアとポーチの天井が、ネイビーの外壁に温かみを添えています。ポーチ横には宅配ボックス付きのポストを設け、不在時の荷物の受け取りにも配慮しました。


ベンチとシューズクロークのある玄関
玄関を入ると、正面にシューズクローク。扉のないオープンな収納なので、靴や外で使う道具をさっと片付けやすくなっています。
土間の脇には、腰かけられるベンチと縦型の手すりを設けました。座って靴を履いたり、散歩から帰ってひと息ついたりするのに便利です。壁のアーチ形のニッチは、小物を飾る場所になります。


勾配天井と大きな窓のLDK
天井が斜めに高く伸びる、勾配天井のリビング。ダイニングとキッチンの上は天井を一段下げ、同じ空間の中で場所ごとに落ち着きの違いをつくっています。
庭側には、掃き出し窓を二つ並べました。窓の外にはデッキと庭が続き、室内にいながら庭の様子に目が届きやすい配置です。
ダイニング横の壁面には、ロールスクリーンで隠せる収納を設けています。書類や日用品を手の届く場所にまとめられ、来客時にはさっと目隠しできます。



リビングの一角にあるドッグルーム
リビングの奥に設けた、愛犬のための部屋。大きな開口から中の様子が見え、ソファやキッチンからも目が届きやすい位置にあります。
開口部には開け閉めできる建具を設け、物置としても使えるつくりにしました。室内は壁と天井を濃い色でまとめ、明るいLDKとは対照的な、落ち着いた雰囲気に仕上げています。
(※写真では、一部建具を取り外しています)
犬と暮らすご家庭なら、来客時や掃除の間だけ過ごしてもらう場所としても使いやすいでしょう。

LDKを見下ろすスキップフロアの書斎
ドッグルームの上には、スキップフロアの書斎を設けました。腰壁に沿ってカウンターがあり、パソコン作業や書きものに集中しやすい場所です。
腰壁越しに、リビングと庭側の窓まで見渡せる距離感。ひとりの時間を持ちながらも、家族の気配を感じやすい書斎です。勾配天井の高さを生かし、ドッグルームと上下に重ねた立体的なつくりになっています。



LDKを見渡せる対面キッチン
キッチンに立つと、正面にダイニングとリビング。対面式なので、料理をしながらLDKやドッグルームの様子に目を配りやすいつくりです。
カウンターは手元を隠せる高さがあり、キッチン側には調味料などを置ける棚を設けています。
キッチンの背面には、天井近くまで届く収納を並べました。家電置き場も収納と一体になっているので、見た目をすっきり保ちやすい配置です。奥の勝手口からは、ゴミ出しなどで外へ直接出られます。

LDKとつながる洗面スペース
引き戸の向こうは、すぐLDK。洗面スペースとLDKの行き来が短く、家事の合間にも使いやすい配置です。
洗面台は、三面鏡と幅の広いボウルを備えたもの。鏡の裏が収納になっているので、細かなものもすっきり片付けられます。

室内干しができるランドリールーム
天井から下がる、二本の物干しバー。洗濯機と乾燥機のそばにあるので、洗う・干す・乾かすをひと部屋で済ませやすくなっています。
天気や時間を気にせず干せるので、雨の日や花粉の季節にも便利です。上部の横長の窓から光を取り込みつつ、外からの視線は気になりにくい配置にしています。


デッキとスロープでつながる庭
リビングの窓の先に広がる、ウッドデッキと人工芝の庭。デッキから芝生へはスロープを設け、段差を上り下りせずに行き来しやすくしています。
庭の周囲には目隠しフェンスを巡らせ、外からの視線を気にせず過ごしやすい庭に。デッキの上にはテラス屋根と物干し金物があり、屋外に洗濯物を干す場所も確保しています。庭の端には立水栓もあり、外遊びのあとの足洗いや水やりにも使えます。
人も犬も過ごしやすい平屋のかたち
ドッグルームのあるLDK、スロープでつながる庭、屋根の下を通れるアプローチ。この家では、犬と暮らすための工夫が、人にとっての暮らしやすさとも重なるように配置されています。ペットとの家づくりを考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
この事例のよくある質問
ドッグルームはどこに配置するのがよいですか?
この事例では、ソファやキッチンから目が届くリビングの一角に設けています。開口部を建具で開け閉めできるようにすると、物置として使うなど、状況に応じて使い分けやすくなります。最適な位置は敷地や間取り、ペットの数によって変わるため、設計の段階でご相談ください。
平屋でも書斎や収納のスペースは確保できますか?
この事例では、勾配天井の高さを生かし、ドッグルームの上にスキップフロアの書斎を設けています。玄関のシューズクロークやキッチンの背面収納など、場所ごとに収納を分けて配置することで、ワンフロアでも物を片付けやすい間取りにしています。
ペットと暮らす家では、ほかにどんな工夫ができますか?
この事例では、庭へ下りるスロープ、足洗いにも使える立水栓、散歩のあとに腰かけられる玄関ベンチなどを取り入れています。ほかにも、床や壁の仕上げ、ゲートの位置など、暮らし方に合わせて工夫できる点は多くあります。
ペットと暮らす家づくりの考え方は、「ペットと暮らす家」のページでもご紹介しています。デザインへのこだわりについては、「建築家思考のデザイン」のページもあわせてご覧ください。