平屋と2階建て住宅の利点を両立させたいとお考えの方へ。1.5階建て住宅の特徴やメリット・デメリット、書斎や子ども部屋などの間取り活用法、建築費用相場まで、後悔しないためのポイントを建築実例2選とともに解説します。
<このような方に<このような方におすすめ>
- 平屋に憧れているものの、土地の広さや部屋数で迷っている方
- 1.5階建てと平屋・2階建ての違いや、メリット・デメリットを知りたい方
- 子ども部屋や書斎を確保しつつ、将来は1階を中心に暮らせる間取りを考えたい方
<この記事のまとめ>
- 平屋と2階建ての長所を両立する1.5階建て住宅の仕組み
- 書斎や子ども部屋などライフスタイルに応じた空間の活用方法
- 将来まで快適な暮らしを実現するための間取り設計のポイント
INDEX
1.5階建ての住宅とは

1.5階建ての住宅は「平屋+コンパクト」な2階の家をイメージしてもらうと良いでしょう。ワンフロアで生活しやすい平屋と、部屋数を多く設置できる2階建て住宅の良いとこどりが叶う住宅です。1.5階建ての住宅は「平屋+αの家」「平屋風2階建て」とも呼ばれています。縦の空間を広げて空間を有効活用できるのが特徴です。
平屋や2階建てとの違い
平屋と2階建て住宅の違いはフロアの数です。平屋はワンフロアの住宅、2階建ては1階と2階の2フロアがある住宅で、建築確認申請の際は天井高によって平屋か2階建てかに分けられます。住宅にロフトを設置する場合には天井の高さに制限がありますが、1.5階建て住宅をつくる際には天井高の制限がありません。
1.5階建てのメリット

ここでは、1.5階建てのメリットについて解説します。平屋や2階建てと比較する際の参考にしてみてください。
十分な土地面積がなくても平屋にできる
1.5階建ての住宅は、平屋よりも狭い土地面積でも建てられる点がメリットです。平屋はすべての部屋を1階部分につくる必要があるため、部屋を増やそうとすると横に広げなければならず、その分土地の広さもある程度必要になります。一方、1.5階建てであれば、縦の空間に部屋を増やすことが可能です。
土地面積が増えると土地代が高くなりますが、1.5階建てでは面積を増やす必要がないため土地の購入費用を抑えられるうえに、平屋とそれほど変わらない生活を送れるでしょう。
収納が多くなる
1.5階建ては平屋に比べ、一部でも上のフロアができることで収納スペースを増やすことが可能です。使わない荷物を収納スペースに置くことで室内をすっきり保つことができ、快適に生活することができます。あらかじめ十分な収納スペースを確保できていれば、家族が増えても収納量を心配する必要はありません。十分な収納スペースがあれば家事動線も良くなり、日常の片付けや掃除がスムーズに行えるでしょう。
家族間のコミュニケーションがとりやすい
1.5階建ては全体的にコンパクトに収まり、1階部分での生活が中心となります。そのため、家族が顔を合わせる機会が増え、声をかけやすかったり、家族の気配を感じられたりといったメリットがあります。プライベートをきちんと確保しながらも、つながりをしっかりと感じられる居住環境です。
バリアフリーにしやすい
1.5階建ては家族が集まるメインスペースや設備が1階に集中するため、バリアフリー住宅にしやすいのも特徴で、老後の生活がイメージしやすくなります。将来的に1階部分で生活することを考慮するのであれば、水回りや寝室、リビングなどを1階に設置しておくと良いでしょう。小さい子どもがいる場合も、バリアフリーであれば室内で走り回っても安心です。
1.5階建てのデメリット
メリットの多い1.5階建て住宅ですが、少なからずデメリットもあります。後悔しないよう、1.5階建てのデメリットについても把握しておきましょう。
建築コストが割高になる
1.5階建ては基礎や屋根の面積が大きくなりやすく、建築費が割高になるケースが多いです。1階部分の部屋数を増やすとその分建築面積も増えて建築費が上がり、家の形が複雑化することで材料費や施工費用なども高くなる傾向にあります。
また、屋根の塗装を行う場合には2階建てと同様に足場が必要になるなど、メンテナンスの費用もかさみがちです。
防犯・プライバシー面が心配になる
1.5階建ては1階が生活のメインスペースとなるため、外部からの視線が気になるケースがあります。窓の辺りにパーテーションや観葉植物を置くなど、プライバシーを確保するための工夫が必要です。
また、2階建て住宅と比べて侵入できる隙が増えるため、防犯対策も必要になるでしょう。対策として防犯砂利を敷く、センサーライトを設置する、大きな窓には防犯シャッターを取り付けるなどの方法が有効です。
専門業者に依頼する必要がある
1.5階建ては採光・通風・耐震などのさまざまな点に配慮が必要になるため、すべての施工会社が対応できるわけではありません。1.5階建て住宅の施工実績が豊富な専門業者に依頼する必要があり、業者の適切な見極めが必要です。業者を選定する際には施工実績を確認したり、見積もりを複数取ったりなどすることをおすすめします。
平屋と2階建てを比較した1.5階建ての建築費用相場
1.5階建ての建築費用は、一般的な2階建てと比較すると割高になる傾向があるものの、完全な平屋よりは安く抑えられるケースが一般的です。平屋は基礎や屋根の面積が広くなるため坪単価が高くなりやすいのに対し、1.5階建てはコンパクトな2階部分を設けることで基礎面積を縮小できるという理由があります。
そのため、限られた予算で平屋のようなワンフロア完結の暮らしを実現したい方に適した選択肢と言えます。全体のコストと得られる間取りのバランスを考慮し、地域の相場を把握しながら計画を進めてみてください。
1.5階建て住宅の間取りの活用法

続いて、1.5階建て住宅の1.5階部分にどのような間取りを取り入れると良いか、活用方法について以下で紹介していきます。
書斎・ワークスペース
リビングなどとは離れて静かに集中するスペースとして、書斎・ワークスペースの利用がおすすめです。1.5階部分を書斎・ワークスペースとして活用することで集中して作業ができ、気持ちの切り替えをしやすくなります。長時間の作業でも疲れにくくするため、広い空間を意識すると良いでしょう。
子ども部屋
隠れ家のようなスペースとして遊べる1.5階部分は、子ども部屋にするのにも適しています。子どもが自由に遊べるスペースでは親とほど良い距離感を保てるうえ、親は子どもの様子を確認しやすいので安心です。また、子どもが成長しても多目的に利用できるなど、ライフスタイルに合わせて自由に使い方を変えることができます。
シアタールーム
1.5階部分は、贅沢な娯楽として使用するシアタールームなどにも活用できます。家にいながら非日常な体験ができる空間を持てるのは、生活に潤いをもたらすでしょう。映画だけでなくスポーツやライブ観戦、カラオケなどを楽しむこともできます。シアタールームがあれば、家族と過ごす時間も増えるかもしれません。
収納スペース
通常のクローゼットなどの収納に加えて、新たな収納スペースとして使用するのも良いでしょう。1.5階部分は大型収納スペースとなり、思い出の品や大きい荷物、アウトドア用品などの収納場所、衣替えの際の保管場所としても活躍してくれます。増えてしまう荷物をきちんと収納できれば、居住空間をすっきりとした状態に保つことができます。
3LDKで実現する1.5階建てのおすすめ間取りプラン
1.5階建てで特に人気が高い間取り構成として、3LDKのプランが挙げられます。1階部分に広々としたLDKと主寝室、水回りを配置し、1.5階部分に2つの子供部屋を設けるスタイルが定番の形です。
この間取りであれば、将来子どもが独立した後は1階だけで生活が完結するため、老後も安心して暮らし続けることが可能です。約30坪から35坪程度の土地面積でも十分に実現できるため、都市部の限られた敷地でも開放的な住まいを手に入れられます。
実例やモデルハウスを積極的に見学し、生活動線や空間の広がりを比較検討してみてください。
1.5階建て住宅の実例2選
ここからは、1.5階建て住宅の実例を2つ紹介します。1.5階建て住宅を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
居心地の良いヌックとスキップフロアで家族がつながる平屋の住まい

こちらは、平屋のリビングにスキップフロアとヌックを設けた建築実例です。
スキップフロアには、琉球畳を使用しお子さまでも上りやすいよう、緩やかな階段を設置しています。スリット窓からはやさしい光が差し込み、のびのびとくつろげる空間を実現しました。
スキップフロアの下にはヌックを設け、居心地の良い一人時間も楽しめます。
空間にゆとりをもつ回遊動線のある平屋の住まい

リビングの上部にスキップフロアを設けた建築実例です。
吹き抜けとつながる空間で、程よく視線も遮れるためゆっくりと昼寝や読書などができます。またリビングの空間に設置しているため、気配を感じられお子さまの遊び場としても最適です。
日々の生活に応じて、さまざまな活用方法ができるほか、スキップフロア下はお子さまのための秘密基地としても活用されています。
1.5階建て住宅の間取りづくりのポイント

最後に、1.5階建て住宅の間取りをつくる際のポイントについて見ていきましょう。
将来的に1階だけで生活できるようにしておく
老後は足腰の負担が大きくなりやすいため、階段の上り下りはできるだけ避けたいものです。将来を見据え、基本的には1階だけで生活が完結するような間取りになるよう、水回りや寝室、リビングルームなどは1階に、子ども部屋や趣味スペースを1.5階部分に設けることをおすすめします。
天井の高さを活かす
1.5階建ては天井の高さに制限がない点が魅力です。1.5階の床がない部分を吹き抜けにして勾配天井にすることで、圧迫感がなく、開放感のある空間をつくることができます。また、天窓や高窓を設置すれば自然光を取り入れやすく、明るい室内空間も演出できるでしょう。
動線を意識する
1.5階建ての住宅では、より効率的な家事・生活導線の確保や家族とのコミュニケーションがとりやすいレイアウトを意識するのがポイントです。平屋よりもコンパクトな間取りを活かし、回遊動線を意識することをおすすめします。リビングからキッチン、廊下、脱衣所と、行き止まりがなく行き来できる間取りにすることで、狭さからくる不便さを感じず快適に過ごせるでしょう。
デッドスペースを活用する
1.5階建ての住宅は2階建て住宅と比べて部屋数が少なくなりがちなので、収納スペースを多く確保しすぎると生活スペースが減ってしまいます。そのため、デッドスペースとなり得る場所を有効的に活用するようにしましょう。ちょっとした隙間ができやすい階段下やリビング脇などの場所を収納スペースとして確保し、ほかの用途でも使える場所を生活スペースとしてフル活用することをおすすめします。
1.5階建ての実績が豊富なハウスメーカー・工務店の選び方
1.5階建ては構造や設計が複雑になりやすいため、依頼先のハウスメーカーや工務店を選ぶ際は施工実績の豊富さを重視する必要があります。大手住宅メーカーから地域密着型の工務店まで幅広く検討し、1.5階建てやスキップフロアを取り入れた建築実例をカタログ等でしっかりと確認してください。
また、空間が繋がるため高い空調計画や断熱性能が求められます。過去のモデルハウスを見学し、室内環境の快適さを直接確かめることも有効な手段です。複数社から見積もりと間取りプランを取り寄せ、自社の設計力を活かした具体的な提案をしてくれる業者を選ぶことをおすすめします。
間取りを工夫して1.5階建てを広々活用しよう
1.5階建て住宅にはさまざまなメリットがあり、家族のライフスタイルに合わせてスペースの使い方を自由に変えることができるのが魅力です。設計段階で将来を見据えた間取りにしておくことで、活用の幅がより広がるでしょう。
キノエデザインは、家族構成やライフスタイルなどをしっかりとヒアリングし、長く快適に暮らせる家を提案しています。また、安心して暮らしていただけるように30年の長期保証とアフターサービスをご用意しています。自然素材を用いた「深呼吸する家」にご興味がある方は、まずはお気軽にご相談ください。
1.5階建てに関するよくある質問
1.5階建ては建築基準法上、平屋と2階建てのどちらになりますか?
「1.5階建て」は一般的な呼び方であり、建築基準法上の正式な区分ではありません。上階部分の天井高・床面積・用途・構造などによって、平屋または2階建てとして扱われます。建築確認や登記上の扱いは設計内容によって異なるため、計画段階で設計者へ確認しましょう。
1.5階部分は延床面積に含まれますか?
居室として使用する1.5階部分は、一般的に延床面積へ算入されます。一方、小屋裏収納など一定の要件を満たす空間は、床面積に算入されないことがあります。天井高や面積などの扱いは自治体によって異なる場合があるため、設計者や建築予定地の行政窓口へ確認しましょう。
1.5階建てを建てるときも建ぺい率・容積率は関係しますか?
1.5階建てでも、建ぺい率と容積率の制限を受けます。建ぺい率は敷地に対する建築面積、容積率は敷地に対する延床面積の割合です。上階部分が床面積に含まれる場合は容積率にも影響するため、土地を購入する前に希望する広さを確保できるか確認しましょう。
1.5階建ては住宅補助金の対象になりますか?
1.5階建てという建物形状だけで、補助金の対象外になるわけではありません。省エネ性能、世帯要件、床面積、工事内容など、それぞれの制度が定める条件を満たす必要があります。補助制度は年度によって内容が変わるため、建築時点の最新情報を確認しましょう。
1.5階部分は暑さや寒さの影響を受けやすいですか?
屋根に近い1.5階部分は、夏の日射や冬の外気温の影響を受けやすい場合があります。屋根・壁・窓の断熱性能を高め、日射遮蔽や換気、空調を適切に計画することが重要です。書斎や子ども部屋など長時間過ごす空間として使用する場合は、室温を確認しやすい設計にしましょう。
1.5階建ての空調は1台でまかなえますか?
必要な空調台数は、床面積・断熱性能・吹き抜けの有無・間仕切りなどによって異なります。吹き抜けで上下階がつながっていても、室温に差が生じる場合があります。シーリングファンや空気の通り道も含め、住宅全体の温熱環境を考えて空調計画を立てましょう。
1.5階建ては上下階の音が響きやすいですか?
吹き抜けやスキップフロアで空間がつながっている場合、会話やテレビ、足音などが伝わりやすくなることがあります。上階を寝室や書斎として使う場合は、床・壁・建具の遮音性や、LDKとの位置関係を確認しましょう。家族のつながりとプライバシーのバランスが重要です。
1.5階建ての耐震性で注意することはありますか?
耐震性は階数だけでなく、建物の形状・壁や柱の配置・上下階のバランス・地盤などによって決まります。上階部分を建物の片側に寄せる場合は、構造的な偏りが生じないように計画する必要があります。間取りを決める際は、構造計画や耐震等級についても確認しましょう。
1.5階建てを相談するときは、施工会社に何を伝えればよいですか?
家族構成、必要な部屋数、1階だけで生活したい時期、上階の使用目的などを伝えましょう。将来子どもが独立した後の使い方や、階段の上り下りが難しくなった場合の暮らし方も共有すると、長期的に使いやすい間取りを検討できます。キノエデザイン(秋山住研)では、敷地条件や暮らし方に合わせた1.5階建ての住まいについて相談できます。