ワンフロアの便利さから暮らしやすさが際立つ平屋は近年人気を集めており、間取りに「スキップフロア」をつくり、家族が心地良く過ごせるこだわりの空間にしたいと考える方も少なくありません。
本記事では、平屋にスキップフロアを設置するメリット・デメリットやオススメの活用術、スキップフロアを取り入れる際の注意点について詳しく解説します。平屋の建築を検討している方や、スキップフロアを取り入れるべきかどうか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
<このような方におすすめ>
・平屋にスキップフロアを取り入れ、立体感のある間取りをつくりたい方
・家族のつながりを感じながら、学習や仕事、趣味の場所を緩やかに分けたい方
・段差のある暮らしの使いやすさや費用、将来の変化まで考えて家づくりをしたい方
<この記事のまとめ>
・平屋のスキップフロアは、床の高さを変えることで、空間を緩やかに分けながら立体的に活用できる間取りです。
・学習・仕事・くつろぎの場所や収納として利用できますが、上下移動の負担や建築費にも配慮が必要です。
・日々の使い方と将来の暮らしを具体的に想定し、断熱性能や構造、建築上の扱いも確認して計画しましょう。
INDEX
スキップフロアとは

スキップフロアとは、フロア内に高さの異なる段差を設ける間取りのことです。
縦の空間を活用した家づくりができることから、利便性を高めたり、空間をおしゃれにしたりすることを目的に多くの住宅で取り入れられています。
スキップフロアの代表的な例は、2階建て住宅で1階と2階の中間に設ける中2階です。
ただし、階段を設置しなければならないというわけではなく、1段でも段差を設けるだけでスキップフロアとなるため、平屋でも取り入れられます。
スキップフロアは棚を設置して収納スペースにしたり、子どもの遊び場にしたりとライフスタイルに合わせてさまざまな用途で使えるのが特徴です。
近年は人気のある間取りとして、多くの住宅に取り入れられています。
スキップフロアのメリット・デメリット
スキップフロアを取り入れる際に気になることは、「設置することでどのように役立つのか」「暮らしやすさにどのような影響があるのか」ということです。
間取りは簡単に変更できるものではないため、設計の段階で慎重に検討する必要があります。
ここからは、平屋建て住宅にスキップフロアを設置するメリットとデメリットについて解説します。
スキップフロアのメリット
平屋にスキップフロアを設置するメリットは、主に「開放感が生まれる」「間取りの自由度が高まる」「収納スペースが増える」の3つです。
それぞれのメリットについて、以下で解説していきます。
開放感のある空間になる
1階建ての平屋で縦の空間を生かし、立体的なスペースを効率的に利用できるのは大きな魅力だといえるでしょう。
LDKや水回り、家族の個室などをすべてワンフロアに設置する平屋の場合、基本的に各スペースを仕切りや壁で区切るため、家具やインテリア用品を配置すると狭さや圧迫感が気になることがあります。
スキップフロアを設置することで、自然と目線の高さを変えられる立体的な間取りが可能になり、開放感が生まれるのが大きなメリットです。
間取りの自由度が広がる
「子どもの遊び場」「読書部屋」「テレワークスペース」など、さまざまな用途に使えるスキップフロアは、通常の平屋では実現できなかったスペースの確保に役立ちます。
スキップフロアは壁や間仕切りで囲む完全な個室ではありません。
しかし、目線の高さが変わることである程度の独立性を確保でき、ほかの部屋と区切って利用できます。
例えば「オモチャを出していいのはスキップフロアの部分だけ」などのルールを決めておけば、後片づけや掃除などにかかる手間も削減できるでしょう。
収納スペースを確保できる
収納スペースが足りないときに、スキップフロアを収納スペースとして活用できるのも大きなメリットです。
段差があることで目線の高さが変わるため、スキップフロア部分に家具や荷物が多くなってしまっても目立ちにくく、リビングをすっきりと見せられます。
さらに、段差の下の部分を収納スペースにすることも可能です。低めのスキップフロアであっても、段差部分に引き出しを設置するだけで収納力がぐっと高まるので、活用してみましょう。
スキップフロアのデメリット
スキップフロアは便利で人気のある間取りですが、デメリットがないわけではありません。
主に挙げられるのは、「コスト増」「バリアフリーにできない」「自治体によって規制がある」などの3点です。
それぞれ詳しく解説していきます。
コストがかかる
スキップフロアを設置するとなると、延床面積が増えたり階段が必要になったりするため、通常の平屋よりも建築費が高くなる傾向にあります。
また、固定資産税が高くなる点にも注意しましょう。
スキップフロアを取り入れると空間が広くなり、冷暖房が効きづらくなることも考えられます。
その分、光熱費が高くなりやすいため、建築コストだけでなく住み始めてからの維持コストも工夫が必要です。
バリアフリーにはならない
2階建てと平屋の大きな違いは、日常生活での上下移動の有無です。
平屋の良さは「老後は階段の上り下りが負担になるかも」という心配をする必要がなく、バリアフリーにしやすい点ですが、スキップフロアを取り入れると完全なバリアフリーにはなりません。
スキップフロアのある平屋では、2階建てのような大きな上下移動はないものの、数段の階段であってもいずれ体の負担になり、避けるようになる可能性はあります。
スキップフロアを活用し続けるためには、あらかじめ手すりを設置するなど工夫するようにしましょう。
自治体によって制限される可能性がある
住宅を建築する際は、自治体に申請し建築許可を取らなくてはなりません。
これは法律や条例に違反していないことを確認するためですが、自治体によってはスキップフロアの設置を許可していないところがあるため、注意が必要です。
スキップフロア部分が階層とみなされると、平屋ではなく2階建てとなってしまうこともあり得ます。
地域によってはスキップフロアを設置すること自体が許可されないケースもあるため、事前に確認することが重要です。
スキップフロアを平屋で活用する際のオススメの間取り

新しく住宅を建てる際に、スキップフロアを取り入れたいと考える方は少なくありません。
しかし、「日常生活の中で実際に活用するイメージが湧かない」という理由から、悩んでいるケースが多くあります。
そこで、家族構成やライフスタイルに合わせたスキップフロアの活用方法を以下で紹介します。
子供部屋として
ファミリー層に人気があるのが、スキップフロアを子供部屋として活用する方法です。
子どもの人数や間取りによっては、子供部屋を人数分つくれない場合があります。
スキップフロアがあれば個室のように使えるうえ、リビングやキッチンからでも子どもの様子がチェックしやすく、学習・遊びのスペースとして利用するのにぴったりです。
子どもの友だちが集まった際にも、リビングと遊びのスペースを簡単に分けられるメリットがあります。
ワークスペース・書斎として
近年、テレワークやリモートワークが多い大人に人気なのが、ワークスペースや書斎として活用する方法です。自宅で仕事をする場合、家族の出入りも多いリビングでは業務に支障が出ることがあり、仕事に集中するための部屋が必要と感じる方は少なくありません。
また、気分転換やリラックスができるスペースにするのも良いでしょう。
本棚を置いて読書部屋にしたり、オーディオを設置したり、コレクションを飾ったりと、ライフスタイルに合わせてさまざまな使い方ができます。
リビング空間として
スキップフロアとリビングをつなげることで、リビング空間を広く使うという方法もあります。
リビングと一体感のある空間として使いたい家庭に人気なのが、スキップフロア部分を畳敷きの和室にすることです。
家族がゆったりできるリラックスルームになるだけでなく、来客があった際には来客用の寝室にできるなど汎用性が高く、時と場合に応じてさまざまな用途に活用可能です。
スキップフロアで後悔しないための注意点

「おしゃれに見えるから」「流行しているから」という理由だけで平屋にスキップフロアを取り入れると、長期間にわたって暮らしていく中で後悔につながってしまう可能性があります。
家を建てた後で「こんなはずではなかった」と後悔しないために、以下で解説するポイントに注意しつつ、じっくり検討していきましょう。
実際の生活・将来の暮らしをイメージする
スキップフロアのある平屋は、通常の平屋より建築コストと維持コストが高くなりがちです。
完成してから後悔しないよう、実際の暮らしや生活をイメージして必要性・機能性などを考えると良いでしょう。
年齢を重ねて階段の上り下りが負担になれば、スキップフロアの空間を使わない暮らしにシフトしていくことも考えられます。
ライフステージごとの活用方法を考えたうえで、住みやすい環境をつくるようにしましょう。
断熱性能を確保する
スキップフロアとリビングを一体化させたり、スキップフロアのために天井を高くしたりすると、壁や間仕切りを設ける間取りよりも空間が広く取れます。
しかしその分、光熱費が高くなりやすいため、断熱効果についても事前に考えておくことが重要です。
断熱性の高いサッシや断熱材を使うことによって空調効率をアップさせれば、外気温の影響を受けづらくなり、温度調整がしやすくなります。
快適性が上がるだけでなく毎月の光熱費削減にもつながるため、できるだけ断熱性能を確保するようにしましょう。
実績豊富な建築会社に依頼する
スキップフロアは間取りの自由度が高いことが魅力であるものの、構造が特殊で自治体によっては制限されることもあります。
後悔しないためには、スキップフロアのある住宅を多数手がけている建築会社に依頼するようにしましょう。
実績豊富な建築会社であれば、スキップフロアに関する知識やデザインの引き出しが多いだけでなく、自治体ごとに異なる制限や規制にも詳しいため、後々のトラブルを防げます。
家づくりはやり直しがきかないため、実績豊富で信頼できる建築会社を選ぶようにしましょう。
平屋にスキップフロアを取り入れておしゃれな間取りを実現しよう
平屋にスキップフロアを設置すると、開放感のある間取りにできることに加えて子ども部屋や収納スペース、テレワークスペースなど、暮らしに合わせてさまざまな使い方ができます。
ただし、段差があることでバリアフリーにはできないため、将来を見据えながら間取りを決めることが大切です。
キノエデザインでは、スキップフロアのある平屋住宅で快適に健康に暮らせる家を建てられます。
平屋を建てたいとお考えの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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スキップフロアがある平屋に関するよくある質問
平屋のスキップフロアは、平面図だけで使いやすさを判断できますか?
平面図だけでは、床の高低差や天井までの距離、他の場所との視線の関係を把握しにくい場合があります。断面図や立体パースも使い、立ったとき・座ったときの見え方を確認しましょう。キノエデザイン(秋山住研)に相談する際も、高さを含めた空間のイメージを共有するとよいでしょう。
スキップフロアの床の高さは、どのように決めればよいですか?
使う目的と、上り下りのしやすさを踏まえて決めましょう。椅子で作業するのか、床に座って過ごすのかによって、必要な天井高さや視線の位置が変わります。段差下の収納を優先して高さを決めるのではなく、階段や家具を含めて使う場面を確認することが大切です。
スキップフロアをワークスペースにする場合、音の対策は必要ですか?
リビングとつながる計画では、テレビや会話、調理などの音が届くことを想定しましょう。オンライン会議や集中する作業が多い場合は、配置や間仕切りの必要性を検討してください。床の高さを変えるだけでは遮音できないため、仕事の内容に合う環境かを確認することが大切です。
キッチンからスキップフロアの様子を確認するには、何を見ればよいですか?
キッチンで立つ位置と、スキップフロアで座る位置を想定し、見通しを確認しましょう。床の高低差に加え、腰壁や手すり、家具が視線を遮る場合があります。「空間がつながっている」ことと「様子が見える」ことは異なるため、断面図やパースで確かめるとよいでしょう。
スキップフロアに家具を置く場合、注意点はありますか?
家具の寸法だけでなく、搬入する経路や段差まわりの通行スペースを確認しましょう。机や椅子を置く場合は、椅子を引いたときに段差へ近づきすぎないかも検討が必要です。本棚などは設置位置や転倒防止方法も確認し、使う家具を図面に入れて計画することをおすすめします。
スキップフロアにロボット掃除機を使えますか?
ロボット掃除機が段差を越えられるかは、機種と段差の高さによって異なります。各床面を自動で行き来できるとは限らないため、持ち運びや別の掃除方法を想定しておきましょう。充電場所やコンセントも含め、採用する機器の仕様に合わせて計画することが大切です。
スキップフロアの照明やコンセントは、どの位置に設けるとよいですか?
床の高さと家具の配置を基準に、使いやすい位置を検討しましょう。読書や学習では手元の明るさ、くつろぐ場所では光のまぶしさも確認が必要です。電源コードが段差や通路を横切らないよう、使用する家電とスイッチの操作位置を設計段階で整理しておくとよいでしょう。
スキップフロアを家族で共有する場合、どのように使い分ければよいですか?
使用する時間帯と活動を整理し、同時に使っても支障がないかを考えましょう。例えば、仕事と子どもの遊びでは、必要な静かさや道具の置き方が異なります。共用カウンターや持ち運べる道具を活用するなど、家族の生活リズムに合わせて配置を検討するとよいでしょう。
スキップフロアとヌックは、どのように使い分けるとよいですか?
スキップフロアは床の高低差による空間の分け方、ヌックは小さく落ち着ける居場所として考えると整理しやすくなります。両者を組み合わせることもできますが、段差を設けずにヌックをつくる方法もあります。「高さを変えたい」のか「こもれる場所がほしい」のか、希望を明確にして検討しましょう。
秋山住研にスキップフロアのある平屋を相談する際、何を伝えるとよいですか?
使用する人、過ごす時間、置きたい家具、周囲とのつながり方を具体的に伝えましょう。「家族の様子は見たいが会議中は静かにしたい」など、希望を整理すると設計の判断に役立ちます。キノエデザイン(秋山住研)は、敷地条件や動線、暮らし方を踏まえた設計を重視しているため、段差を設けない案とも比較して相談するとよいでしょう。