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2024.05.20 コラム

吹き抜けのある間取りとは?メリット・デメリットや設計時の注意点

吹き抜けのある間取りとは?メリット・デメリットや設計時の注意点とは?

玄関やリビングに吹き抜けをつくることで、開放感のある素敵な空間に仕上げることができます。これから家を建てたいという方の中には、吹き抜けのある間取りに興味がある方も多いのではないでしょうか。ただし、吹き抜けにはメリットとデメリットがあるため、両方を知ったうえで検討する必要があります。

本記事では吹き抜けのメリットやデメリット、吹き抜けに適した間取り、後悔しないためのポイントについて解説します。吹き抜けのある家を具体的にイメージしたい方は、ぜひ参考にしてください。

吹き抜けとは

「吹き抜け」とは建物内部の天井がなく、上下複数階を一続きにした空間のことです。一般的な戸建て住宅のワンフロアの天井高が2.4~2.5mなのに対し、2階建ての場合は吹き抜けにすることで天井高が5mほどになります。

吹き抜けには天井が高くなることで空間が広く感じられるという特徴があり、室内のさまざまな場所に採用して開放感を出したり採光を確保したりすることが可能です。また、戸建て住宅だけでなく、商業ビルや店舗などでも多く採用されています。

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吹き抜けのメリット・デメリット

吹き抜けのメリット・デメリットとは?

吹き抜けは、住宅にさまざまな効果をもたらすだけでなく、マイナスなイメージも少なくありません。快適に暮らすうえでマイナスな点は、しっかり対策を取ることが可能です。ここでは、吹き抜けのある家のメリット・デメリットを紹介します。

メリット

吹き抜けのある家のメリットとして、主に以下の3つが挙げられます。

開放的な空間になる

吹き抜けは天井がなく視界をさえぎるものがないので、空間全体が広く感じられる点が魅力です。十分な敷地面積を確保できない狭小住宅にも有効な間取りで、狭い部屋でも窮屈さの感じないくつろげる空間づくりを実現できます。

採光・通風を確保しやすい

吹き抜けがあれば室内上部の窓から自然光が入り、採光・通風を確保しやすいのも特徴です。天井がないことで高い位置に窓を設置できるため、1階の日当たりがあまり良くない家でも高い位置から光が届きやすくなります。低い位置と高い位置のそれぞれに窓があることで風通しも良くなるでしょう。
光をしっかりと取り込むことで室内の温度も暖かく保てます。また、明るい室内では電気をつける必要も少なく、電気代の節約にもつながるでしょう。

家族間がコミュニケーションをとりやすい

家族間でコミュニケーションをとりやすいのも、吹き抜けのある家のメリットです。吹き抜けがあると1階と2階がつながっているため、それぞれのフロアにいても様子を窺いやすく、会話がしやすくなります。家の中のどこにいても家族の気配を感じやすいので、特に小さな子どもや高齢者がいる家庭では安心です。

デメリット

一方、吹き抜けのデメリットとして挙げられるのは主に以下の3つです。

エアコンが効きにくい

吹き抜け住宅のデメリットとしてよく挙げられるのが、エアコンの効きづらさです。暖かい空気は上に、冷たい空気は下に溜まりやすいという性質から、吹き抜けのある住宅は冬は寒く、夏は暑くなります。空間が広く高さがあることで、室内全体にエアコンの風が行き渡りづらく、温度のムラができやすい傾向もあります。温度のムラができると電力消費量も上がりやすくなり、月々の電気代に悩むこともあるでしょう。

2階の床面積が狭くなる

吹き抜けをつくることで、1階の天井や2階の床が一部ない状態になります。そのため、2階につくりたい部屋数が減ってしまったり、収納が減ってしまったりと間取りに影響が出る可能性があります。
十分なスペースを確保できる家であれば室内に吹き抜けをつくることも可能ですが、必要な部屋数と広さを考慮しつつ、ハウスメーカーの担当者とよく相談するようにしましょう。

耐震性の低下につながる

吹き抜けをつくると柱や壁が少なくなり、耐震強度が下がる可能性があるので注意が必要です。一般的に、床や天井の面積が狭くなるほど地震の揺れに弱くなるといわれています。実際、耐震等級によっては床面の強さがチェック項目に含まれており、吹き抜けの有無が耐震性に影響があることを示しています。
吹き抜けをつくる場合は床面積やつくる場所などをしっかりと検討したうえで、耐震性を評価してもらうと安心です。

 

吹き抜けに適した間取り

吹き抜けに適した間取りをご紹介

室内であればどの場所でも良いというわけではなく、吹き抜けに適した場所があります。ここでは、吹き抜けを家のどの場所につくるのが良いか紹介していきます。

リビング

吹き抜けをつくる場所として人気が高いのが、家族が集まるリビングです。特に南向きのリビングだと自然光を取り入れて室内が明るくなるなど、よりメリットを享受しやすいでしょう。解放感があり、家族がゆっくりとくつろげる空間にすることが可能です。

また、吹き抜けは2階につながる階段とも相性が良く、おしゃれな間取りになるほか、家族とのコミュニケーションが生まれやすくなるでしょう。

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玄関

リビングの次に人気なのが玄関につくる吹き抜けです。玄関の吹き抜けは北米の住宅に多く見られ、回り階段のある玄関ホールが印象的です。玄関に開放感が生まれ、入った瞬間からデザイン性の高い家を印象づけられます。また、高い位置に窓を設置すれば、北側の玄関でも明るさを得られます。

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吹き抜けで後悔しないためのポイント

吹き抜けで後悔しないためのポイントとは?

せっかく希望どおりの吹き抜けをつくっても、「こんなはずではなかった」と後悔することもあります。吹き抜けをつくったあとに後悔しないよう、以下のポイントに注意しましょう。

吹き抜けの寒さ対策をする

吹き抜けのある家での悩みに多いのが「寒さ」対策についてです。ここでは、吹き抜けの家で欠かせない寒さ対策について解説します。

シーリングファンを設置する

吹き抜けの寒さ対策として一般的なのが、シーリングファンを設置することです。先述したとおり、暖かい空気は上に、冷たい空気は下に溜まりやすい性質があるため、吹き抜けの寒さ対策には部屋全体の空気を循環させる必要があります。シーリングファンは冷暖房の効率が上がるうえ、室内のデザイン性も高めるため人気です。

加湿器を設置する

乾燥を防ぐための冬の必需品ともいえる、加湿器を設置するのもおすすめです。ファンヒーターやエアコンなどを使用して室内が乾燥すると、体感温度も下がってしまいます。適切な湿度を保つことで体感温度が上昇し、寒い冬でも暖かく過ごすことができるでしょう。また、加湿器を設置することでウイルス対策や喉・鼻などの乾燥も防げます。

高窓にロールスクリーンを設置する

吹き抜けに多い高窓に対してロールスクリーンを設置するのも有効です。吹き抜けでは高い位置から光を取り入れるため、高窓を設置するケースが多く見られます。窓を設けることで明るさは確保できますが、外気(冷気)が侵入しやすくなるため寒さ対策が必要です。
高窓にはカーテンを取り付けられないことが多いので、ロールスクリーンを設置すれば冷気の侵入を防げるほか、夏の強い日差しの遮光にも役立つでしょう。

床暖房を設置する

戸建ての床は冷えやすいため、寒い時期により効率的に室内を暖めたい場合は床暖房も利用するのがおすすめです。ただし、エアコンと両方で使い続けると電気代が高くなってしまうので、運転開始時のみ両方使い、ある程度暖まったら床暖房のみにするなど調整すると良いでしょう。

断熱性·気密性を高める

家全体の断熱性・気密性を高めれば、年間を通して快適な室内空間をつくりやすくなります。断熱性・気密性の高い家は室内上下の温度差が少なく、快適な温度で過ごせます。冷暖房効率も上がるため、電気代を安く抑えられるでしょう。対策としては壁や天井に断熱材を入れる、樹脂製サッシを採用するなどの方法があります。

耐震性を考慮する

地震大国の日本では、家づくりにおいて耐震性の高さが重要です。吹き抜けのある家は一般的に耐震強度が弱くなる傾向にあるので、事前に柱の数や窓の大きさなども考慮し、耐震等級をしっかりと確認しておきましょう。

木造住宅であってもコンクリート造に近い強度の家づくりは可能なほか、耐震性を保つために柱や梁をあえて見せるデザインにするのもおすすめです。

音や匂い対策をする

吹き抜けは1階と2階を隔てる部分がないため、音が響きやすい点も考慮しましょう。2階に寝室がある場合、寝室を吹き抜けから離した場所につくったり、寝室の部屋自体の防音性能を高めたりすることで、吹き抜けによる音の影響を受けにくくなります。

寝室と吹き抜けに距離を持たせることは、匂い対策にもなります。吹き抜けをLDKに設けた場合は、料理の匂いが2階にも充満してしまいかねないからです。吹き抜けに換気窓を設置したり、キッチンを半個室にしたりすることでも対策できます。

2階に必要な部屋の数やスペースを取るだけでなく、音や匂い対策に適した間取りにできるかも考慮した上で、吹き抜けの必要性を検討しましょう。

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吹き抜けのある注文住宅の施工事例4選

ここでは、吹き抜けのある注文住宅の施工事例を4選ご紹介します。ぜひ、家づくりのご参考にしてみてください。

家族とペットが楽しく集える大きな吹き抜けリビングのある注文住宅

家族とペットが楽しく集える大きな吹き抜けリビングのある注文住宅

こちらは家族とペットが楽しく集える大きな吹き抜けリビングのある注文住宅の施工事例です。リビングには、大きな吹き抜けを設置しました。大開口の窓だけではなく、吹き抜けの上部からも光が降り注ぐため、明るく暖かなリビングとなっています。

日がよく差し込む窓際にはキャットタワーを設置し、猫ちゃんがくつろげる空間も実現しました。家事の効率化を実現し、つくり出した時間をリビングで楽しむオーナー様ご夫婦やお子様、猫ちゃんがくつろいでいる光景が、目に浮かびます。

家族とペットが楽しく集える大きな吹き抜けリビングのあるお家の施工事例を見る

大空間の吹き抜けに家族の笑顔が溢れる注文住宅

大空間の吹き抜けに家族の笑顔が溢れる注文住宅

こちらの事例は、明るい光が差し込む吹き抜けのあるリビングです。家族が集い、団らんするリビングに吹き抜けがあれば、開放感が生まれるため、のびのびとした気持ちで過ごせるでしょう。

またリビングはウッドデッキと和室も隣接しているため、吹き抜けと合わせてさらに空間を広く見せられる効果もあります。ソファに座り、部屋を見渡した際のリビングを、ぜひ体感しにきてみてください。

大空間の吹き抜けに家族の笑顔が溢れる注文住宅の施工事例を見る

ダイニング部分を一部吹き抜けにした注文住宅

ダイニング部分を一部吹き抜けにした注文住宅

こちらの事例は、ダイニングに設置した吹き抜けです。ご家族の人数が多いご家庭は特に、食事の時間にご家族全員がダイニングに集まると、窮屈な印象を抱いてしまう場合があります。

開放感を演出してくれる吹き抜けをダイニングに設ければ、上部に視界がひらけるため、居心地の良い空間に仕上げてくれます。化粧梁に設置した照明がご家族を温かく照らしてくれるリビングやダイニングは、ご家族のお気に入りの場所になるでしょう。

ダイニング部分を一部吹き抜けにした注文住宅の施工事例を見る

吹き抜け部分に設置した2つのFIX窓から明るい光が差し込む注文住宅

吹き抜け部分に設置した2つのFIX窓から明るい光が差し込む注文住宅

ご家族が過ごすリビングには吹き抜けを取り入れたかったと話すオーナー様のご希望どおり、リビング上部には吹き抜けを設置しました。吹き抜けはリビング内に明るさと開放感をもたらすため、ご家族で語り合ったり寛いだりといった空間に最適です。

また吹き抜けを囲むように2階の廊下を設置したため、リビングやキッチンから呼びかけても、二階で過ごすご家族に声が届きやすい環境となりました。成長に従い子どもたちが自身の部屋で過ごす機会も増えることがあるかとは思いますが、家族の気配を感じられる空間はコミュニケーションが取りやすく、孤独を感じにくい空間となるでしょう。

吹き抜け部分に設置した2つのFIX窓から明るい光が差し込む注文住宅の施工事例を見る

寒さ対策だけでなく家全体の快適性を保つ設計が必要

吹き抜けのある家では寒さ対策が必須です。必要に応じてシーリングファンや加湿器、床暖房なども設置し、快適に過ごせるように工夫しましょう。また、家を建てる前には断熱性や気密性、耐震性などもしっかりと考慮することで家全体の快適性を保てます。

キノエデザインでは基礎断熱や呼吸する断熱材セルロースファイバーを使用し、常に家中を快適な温度・湿度に保つ「深呼吸する家」を提案しています。家族みんなが健康に暮らせる家づくりをしたいという方は、お気軽にご相談ください。

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吹き抜けに関するよくある質問

「吹き抜け」とはどういう意味ですか?

「吹き抜け」とは、建物の一部が1階から屋根まで空間が開けている設計のことを指します。これにより、自然光を取り入れやすくなり、開放感や広がり感を生み出すことができます。また、空気の流れを良くする効果もあり、夏場の冷房効果や冬場の暖房効果を高めることが期待できます。ただし、吹き抜けにすることでプライバシーが確保しにくくなる、音が響きやすくなる、冷暖房の効率が下がるなどのデメリットもあります。

一戸建ての吹き抜けのデメリットは?

吹き抜けのデメリットは主に以下の3つです。

  1. 熱効率が悪い: 吹き抜けのある家は、暖房や冷房の効率が悪くなる傾向があります。これは、吹き抜けの空間が大きいため、暖房や冷房の効果が上層に逃げやすいからです。
  2. 騒音問題: 吹き抜けのある家は、音が響きやすいという特性があります。これは、吹き抜けの空間が大きいため、音が反響しやすいからです。
  3. プライバシーの問題: 吹き抜けのある家は、一部屋から他の部屋が見えやすいという特性があります。これは、吹き抜けの空間が開放的であるため、プライバシーが保ちにくいという問題があります。

これらのデメリットを理解した上で、吹き抜けのある家を選ぶかどうかを検討することが重要です。

吹き抜けのある家を作るとどんな効果があるの?

吹き抜けのある家には以下のような効果があります。

  1. 明るい空間:吹き抜けがあると、自然光が室内全体に広がり、明るい空間を作り出します。これにより、日中は照明をつける必要が少なくなり、電力消費を抑えることができます。
  2. 広々とした空間:吹き抜けは天井が高くなるため、部屋全体が広々と感じられます。これは、狭い空間に閉じ込められている感じを軽減し、開放感を提供します。
  3. 空気の流れ:吹き抜けのある家は、上部と下部で空気の流れが生まれ、自然な換気が行われます。これにより、室内の空気を新鮮に保つことができます。
  4. デザイン性:吹き抜けは、家のデザインに独特の雰囲気をもたらします。これにより、家全体の印象を大きく左右することができます。

ただし、吹き抜けのある家を設計する際には、冷暖房の効率やプライバシーの確保など、考慮すべき点もあります。これらの要素を適切にバランスさせながら、自分たちのライフスタイルに合った家を設計することが重要です。

吹き抜けの室内窓のデメリットは?

吹き抜けの室内窓は、開放感や明るさを提供する一方で、以下のようなデメリットも存在します。

  1. 音漏れ:吹き抜けの室内窓は、音が階上や階下に漏れやすいという特性があります。これは、プライバシーの観点から問題となることもあります。
  2. 熱効率:吹き抜けの室内窓は、熱が上昇して逃げやすいため、冬季の暖房効率が下がる可能性があります。また、夏季には冷房の効率も下がる可能性があります。
  3. 清掃の手間:吹き抜けの室内窓は、高い位置にあるため、清掃が難しくなることがあります。
  4. コスト:吹き抜けの室内窓は、一般的な窓に比べて設置コストが高くなる可能性があります。

これらのデメリットを考慮しつつ、自身のライフスタイルや予算に合わせて最適な選択をすることが重要です。

吹き抜けの費用相場はいくらですか?

吹き抜けの費用は、設計や施工の内容、家の規模によって異なりますが、一般的には100万円から300万円程度が相場とされています。吹き抜けを設けることで、開放感や採光性が向上する一方で、施工費用が増加し、冷暖房効率が低下する可能性もあるため、費用対効果を考慮して計画することが重要です。具体的な費用は、設計事務所や工務店に相談して見積もりを取ると良いでしょう。

吹き抜けの階段は固定資産税が高くなりますか?

吹き抜けの階段自体が直接固定資産税を高くする要因にはなりません。固定資産税は、建物全体の評価額に基づいて計算されます。吹き抜けがあることで建物のデザインや構造が複雑になり、建築費用が増加する場合がありますが、それが固定資産税に影響を与えるのは、建物全体の評価額が上がる場合です。したがって、吹き抜けの階段があるからといって必ずしも固定資産税が高くなるわけではありません。建物の評価額は、使用されている材料、建物の大きさ、設備など多くの要素によって決まります。

吹き抜けはなぜ人気があるのですか?

吹き抜けとは、建物の複数の階にまたがって空間が開放されている構造のことを指します。通常は、1階から2階、またはそれ以上の階まで天井がなく、視覚的に広がりを感じられるデザインです。吹き抜けは、自然光を取り入れやすく、空間を広く感じさせる効果がありますが、冷暖房効率が下がることもあるため、設計には工夫が必要です。

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