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2024.05.21 コラム

私道負担とは?メリットデメリット、注意点を徹底解説

私道負担とは?メリットデメリット、注意点を徹底解説します

注文住宅を建てるために土地探しをしていると、「私道負担あり」のように記載されている土地を見かけることがあります。「私道負担とはどういう意味?」「一般的な土地とは何が違うの?」と疑問に思うこともあるのではないでしょうか。

今回は私道負担とは何なのかを解説しつつ、私道と公道の違い、私道負担のメリット・デメリットなど、私道負担ありの土地購入時のポイントについて紹介します。土地や戸建てを購入予定の方や、私道負担について知りたい方はぜひ参考にしてください。

私道負担とは?

私道負担とはなにか?

私道負担とは、土地の一部が私道になっていることを指します。住宅を建てるための土地は、原則として道路に接していなければなりません。接道義務があるのは避難経路の確保や緊急車両の通行といった安全のためです。

私道負担でよくあるのが、広い土地を分割して分譲地をつくる際、接道義務を果たすために道路を新設するケースです。条件によってはセットバック(建物や敷地の後退)が発生する場合もあります。

公道と私道の違い

生活に使う道路は、大きく「公道」と「私道」の2つに分けられます。公道とは、国や地方公共団体などが所有する道路のことです。代表的なものには国道や県道があります。公道には地番がなく、道路に設置されているマンホールには、管理している地方公共団体のマークや自治体名などが入っています。

一方で私道とは、個人や企業が所有する道路のことです。公道と違って地番が割り振られているほか、設置されているマンホールには柄がありません。

調べ方

すでにある道路が公道なのか、私道なのかはマンホールの柄の有無でおおよそ見分けられます。ただし例外もあるため、確実ではありません。正確な情報を知るには、市町村役場や土木事務所、法務局などに問い合わせましょう。

売りに出されている土地や土地付き家屋の場合は、どのような道路と接しているのかが物件の情報として記載されます。物件探しの際は、不動産情報が掲載されているWebサイトや不動産会社などでチェックするようにしましょう。

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私道負担のメリットとデメリットとは

私道負担のメリットとデメリットとはなにか

私道負担の物件で気になるのが、家づくりや生活にどのような影響があるのかではないでしょうか。ここでは、私道負担のメリットとデメリットについてそれぞれ解説します。

私道負担のメリット

私道負担にはメリットとデメリットの両方があり、メリットは主に以下の3つです。それぞれ詳しく解説します。

売却時に私道部分を含めた売却益が得られる

私道負担がある土地は、売却する際に私道部分も含めて売却できます。一般的な土地の場合、売却できるのは建物が建つ敷地面積に限られますが、私道負担がある土地は、私道部分の売却益も得られるのがメリットだといえるでしょう。
また、私道持分の売却も可能です。私道にはさまざまな形があり、ほかの私道利用者が購入を希望する場合もあります。ただし、私道負担があることを忘れて敷地部分だけを売却してしまうと、私道部分の所有権だけが残ってしまうので、売却する際は注意しておきましょう。

相場より安く購入しやすい

私道負担がある土地は私道負担がない土地よりも価格が安いことが多く、場合によってはお得に購入できるのもメリットです。
私道部分の土地は、所有権を持っているといっても利用制限があり、自由に使うことができないため、購入を敬遠することもあります。土地購入の費用を抑えられれば、その分住宅や設備などに予算を回せます。土地は決して安いものではないため、金銭面のメリットは大きいといえるでしょう。

交通量が少なめ

私道は基本的に、所有権を持つ方や通行許可を得た方しか通れません。開放されている以上、絶対に第三者が入ってこないというわけではないものの、利用者は近隣住民に限られることから交通量は少なめです。
そのため交通事故が起こりにくく、自動車やバイクの騒音に悩まされることもほとんどありません。また、不審者や不審車両がいる場合もひと目でわかります。安心感があり静かな環境を実現しやすいことは、公道ではなかなか実現できないメリットだといえるでしょう。

私道負担のデメリット

私道負担にはメリットだけでなくデメリットも存在します。私道負担のデメリットとして挙げられるのは、主に以下の3つです。

自由に使えない

私道は、所有しているからといっても建物を建てたり塀をつくったりすることはできません。あくまでも人や車両が通るための道路として使う必要があります。
また、何らかの障害物を置いたり、駐車場の代わりとして自動車を停めたりすることも認められません。公道と違い、駐車違反の取り締まりは基本的に行われないものの、通行を妨げるような行為は安全上の問題があるのはいうまでもないでしょう。近隣住民とのトラブルの原因となる可能性もあるため、利用する際には周囲への配慮が必要です。

経済的負担が発生する

私道部分は自由に使えない土地とはいえ、所有者には固定資産税や都市計画税などの税金がかかります。私道が公共用の道路として認められる場合は税金の支払いが免除になりますが、申告が必要です。
また、私道が傷んだ場合は修繕のための整備費用がかかります。私道の所有権には複数のパターンがあり、複数人で所有している私道を直す場合は、全員の同意を取らなければなりません。公道であれば国や地方公共団体が点検や整備をしてくれますが、私道は持ち主が管理しなければならないのです。

近隣住民とトラブルに発展する可能性がある

私道は個人で所有する場合もあれば、所有権を複数名で共有する場合もあります。特に私道の所有者が複数人いる場合には、私道の利用や通行に関するトラブルが発生しやすいのがデメリットだといえるでしょう。通行料の請求で揉めたり、一部の方が修繕を承諾しなかったりするのは、決して珍しいことではありません。
また「子どもの遊び場になってしまい、ボールが飛んでくる」「勝手に物を置く人がいて車庫入れがしにくい」など、使用方法にまつわるトラブルが発生することもあります。

 

私道負担ありの土地購入時に注意しておきたいポイント

私道負担ありの土地購入時に注意しておきたいポイントとは?

私道負担のある土地を購入する際は、購入後のトラブルを防ぐために私道の権利や現状などを確認しておくことが大切です。必ず押さえておきたい注意点を、以下で3つ解説していきます。

権利関係を確認する

まず、私道の所有権がどうなっているのかを必ず確認しましょう。私道の所有権には、主に次の3パターンがあります。

  • 単独名義:私道のすべてを一人が所有している
  • 共有名義:一つの私道が複数名の共有名義になっている
  • 相互持合:一つの私道をいくつかの区画に分け、複数名が一区画ずつ持ち合っている

共有名義の場合、道路の整備や修繕が発生したときのために、費用の負担割合を決めておく必要があります。また、工事には共有者全員の同意を得る必要があり、反対する人や連絡がつかない人がいると、修繕したくてもできないという状況になりかねません。権利関係が複雑だと、トラブルが起きやすくなる点には注意しましょう。

トラブルを事前に確認する

私道負担によってすでにトラブルが発生している場合は、購入時に売主から説明がありますが、念のため買主側からも確認しておくことをおすすめします。特に近隣住民との共有名義になっている私道は、通行や利用方法、修繕などに関するトラブルが起こりやすいため注意が必要です。

私道関連でトラブルが起こると近隣住民との関係が悪化しやすく、私道の利用が制限されることもあります。私道は長期間にわたって日常的に使うものだからこそ、よく確認しておくようにしましょう。

私道負担面積を確認する

私道負担ありで売りに出されている土地の面積は、私道部分を含んだ数値が記載されていることがあるため注意が必要です。私道は私有地とはいえ好きに使うことはできず、住宅を建てたり庭にしたりすることはできません。詳細を確認せず、土地面積がそのまま住宅を建てられる面積だと思って購入してしまうと、計画している家の大きさや間取りが実現できないでしょう。

土地は安くない買い物だからこそ、事前にしっかりと確認し、納得のうえで購入することが大切です。

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私道負担ありの土地も有効に活用可能

私道負担ありの土地は珍しいものではなく、公道に接する土地と比べると価格が比較的安めで、静かな環境を実現しやすいなどのメリットもあります。しかし権利関係や利用方法が原因の近隣トラブルが起こることもあるため、購入する前に念入りに確認しておきましょう。

敷地が限られている私道負担の土地や、要セットバックの土地などを最大限に活用するには、キノエデザインにご相談ください。豊富なノウハウを生かし、私道負担のある土地での家づくりをサポートいたします。

 

私道負担に関するよくある質問

私道負担かどうか調べるには?

私道の負担について調べるには、以下の手順を踏むことが一般的です。

  1. 地籍調査:まずは地籍図を確認し、該当する土地が私道であるかどうかを確認します。地籍図は市町村の役場や法務局で閲覧することができます。
  2. 登記簿謄本の取得:私道の所有者や権利関係を調べるためには、登記簿謄本を取得します。これも法務局で手続きが可能です。
  3. 私道負担の確認:登記簿謄本に記載されている私道の持分や、私道の維持管理に関する契約内容を確認します。これにより、私道の負担があるかどうかを調査します。
  4. 専門家への相談:不明な点や複雑なケースでは、不動産専門家や弁護士に相談することをおすすめします。

以上の手順を踏むことで、私道の負担について調査することが可能です。ただし、具体的な手続きや必要な書類は地域やケースにより異なるため、詳細は各地の法務局や役場に問い合わせてください。

私道負担とはどういう意味ですか?

私道負担とは、私道の維持管理に関する費用や責任を所有者や利用者が負担することを指します。私道は公道と異なり、特定の個人や団体が所有している道路であるため、その維持管理に必要な費用や責任は所有者が負担することが一般的です。しかし、その私道を利用する周辺の住民や事業者も、利便性を享受する代わりに一部の負担を求められることがあります。これが私道負担と呼ばれるものです。具体的な負担の内容や割合は、所有者と利用者間の契約や地域の慣習によります。

私道持分は私道負担ですか?

私道持分とは、私道の所有権を持つことを指し、私道負担とは私道の維持管理費用を負担することを指します。これらは必ずしも一致するわけではありません。私道持分を持つ者が私道負担を負うことが一般的ですが、契約や地域の慣習により、私道持分を持たない者が私道負担を負うこともあります。具体的な状況については、専門家に相談することをお勧めします。

私道負担のデメリットは?

私道負担のデメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

  1. 維持費用の負担:私道の維持管理にかかる費用は、所有者や利用者が負担する必要があります。これには、道路の補修や清掃、雪かきなどが含まれます。
  2. 責任の問題:私道に起こる事故やトラブルについて、所有者や利用者が責任を問われることがあります。
  3. 利用制限:私道は基本的に所有者の許可がなければ利用できません。そのため、所有者との関係が悪化すると利用が制限される可能性があります。
  4. 売却時の影響:私道の存在は物件の価値を下げる要因となることがあります。特に、私道の幅が狭い場合や、維持管理が行き届いていない場合は、売却時に不利になる可能性があります。

これらのデメリットを理解した上で、私道の利用や所有を検討することが重要です。

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