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2023.12.25 家の造り コラム

建蔽率(建ぺい率)・容積率とは?家づくりに役立つ基礎知識

建蔽率(建ぺい率)・容積率とは?家づくりに役立つ基礎知識

家を建てる際、建ぺい率や容積率によって土地ごとに建てられる家の高さや大きさが制限されています。希望する家を建てるために、土地の価格に影響することも少なくありません。しかし、建ぺい率や容積率は具体的に何を意味していて、どのような部分に気を付ければ良いのかわからないという方も多いでしょう。

この記事では、建ぺい率や容積率の基礎知識や計算方法、注意点などをわかりやすく紹介します。これから土地の購入や建物の設計を控えている方は、ぜひ参考にしてください。

「建蔽率(建ぺい率)」「容積率」とは?

「建蔽率(建ぺい率)」「容積率」とは?

建ぺい率とは、特定の土地において建物が占める面積の割合です。建ぺい率は都市・地域の発展や景観の維持などを考慮して設定され、土地ごとに異なる数値が設定されています。例えば、住宅用の土地は建ぺい率が低い傾向にある一方で、商業地域や工業地域は建ぺい率が高くなっています。

容積率は、特定の土地において建物が占める延床面積の割合です。容積率が低い地域では建物の高さが低く制限され、広々とした環境や景観が維持されています。一方で、容積率が高い地域は建物が高く建てられ、限られた土地を効果的に活用できるのが特徴です。

建ぺい率と容積率は、地域の用途別に割合が設定されています。

用途地域 用途の内容 建ぺい率(%) 容積率(%)
第1種低層住居専用地域 小規模店舗や事務所を兼ねた住宅、小中学校 30・40・50・60 50・60・80・100・150・200
第2種低層住居専用地域 小中学校、150㎡までの一定の店舗
田園住居地域 農地、住宅
第1種中高層住居専用地域 病院、大学、500㎡までの一定の店舗 100・150・200・300・400・500
第2種中高層住居専用地域 病院、大学、1,500㎡までの一定の店舗・事務所
第1種住居専用地域 住宅、3,000㎡までの店舗・ホテル・事務所 50・60・80
第2種住居専用地域 住宅、店舗、事務所、ホテル
準住居地域 住宅、共同住宅、学校、病院、公共施設、10,000㎡以下の店舗
準工業地域 軽工業の工場・サービス施設
近隣商業地域 住宅、店舗、小規模工場 60・80
商業地域 住宅、小規模工場、銀行、映画館、飲食店、百貨店 80 200・300・400・500・600・700・800・900・1000・1100・1200・1300
工業地域 住宅、店舗、全ての工場 50・60 100・150・200・300・400
工業専用地域 全ての工場 30・40・50・60
用途地域の定めのない地域 用途制限なし 30・40・50・60・70 50・80・100・200・300・400

建ぺい率や容積率は、不動産情報に記載されているケースが多く、チラシやネット上の物件ページで確認できます。自身で調べる際は、用途地域は自治体のホームページや役所で確認できるので、詳しく知りたい方は調べてみると良いでしょう。

制限が緩和されるケース

用途地域によって建ぺい率や容積率が設定されていますが、一定の条件に当てはまる場合は制限が緩和されるケースがあります。以下で具体的な条件を紹介しますので、参考にしてください。

建ぺい率の緩和

下記条件に当てはまる場合は、建ぺい率が10〜20%程度緩和されます。

  • 一定要件を満たす角地である、または2つの道路に挟まれた敷地である
  • 土地が防火地域にあり、建物が耐火建築物である
  • 土地が準防火地域にあり、建物が耐火建築物・準耐火建築物である など

角地の場合は、角地にあるからといって必ずしも建ぺい率が緩和されるわけではありません。2つの道路が交わる角度や土地と道路が接する長さ、敷地面積の上限などさまざまな要件が、自治体ごとに定められています。

また、指定建ぺい率が80%の土地で、防火地域に指定されており、耐火建築物を建てる場合は建ぺい率の制限を受けません。その場合、建ぺい率は100%になります。

容積率の緩和

容積率も以下の条件を満たした場合は、緩和されるケースがあります。

  • 特定道路(幅員15m以上の道路)から一定範囲内にある
  • 地下室がある
  • 駐車場がある
  • 小屋裏収納やロフトがある など

具体的には特定道路から70m以内の土地であり、前面道路の幅員が6m以上12m未満の場合は、特定道路からの距離に応じて容積率が加算されます。地下室がある場合は、住宅として使用する床面積の3分の1を限度にして、容積率の計算から除外することが可能です。

また、駐車場に関しては延床面積に含まれるビルトインガレージが、建物の床面積の5分の1を限度にして、容積率の計算から除外できます。小屋裏収納やロフトも、直下床面積の2分の1を限度にして、容積率の計算の対象から外されます。スキップフロアは、天井の高さが1.4m以下の場合は延床面積に含まれません。

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建ぺい率、容積率の計算方法

建ぺい率、容積率の計算方法

建ぺい率と容積率を求める計算式は、下記表のとおりです。

計算式
建ぺい率 建築面積÷敷地面積×100
容積率 延床面積÷敷地面積×100

例えば、建築面積50㎡、敷地面積100㎡の場合、建ぺい率は以下のように算出できます。

50㎡÷100㎡×100=50%(建ぺい率)

また、延床面積80㎡、敷地面積100㎡の場合、容積率は以下のとおりです。

80㎡÷100㎡×100=80%(容積率)

購入予定の土地から建築イメージをする場合は、敷地面積とその土地の建ぺい率・容積率で計算します。以下は、建ぺい率60%・容積率200%、敷地面積120㎡の場合の計算式です。

建築面積:120㎡×60%=72㎡

延床面積:120㎡×200%=240㎡

1階ごとの面積は72㎡まで、延床面積は240㎡までの建物を建てられます。

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建ぺい率、容積率に関する注意点

建ぺい率、容積率に関する注意点

土地を購入する際は、ただ建ぺい率や容積率の数値を確認するだけでなく、以下の2つのポイントにも注意が必要です。

  • 建築制限は建ぺい率・容積率だけではない
  • 建ぺい率・容積率をオーバーすると違法建築となる

購入する土地を決める前に把握しておきましょう。

建築制限は建ぺい率・容積率だけではない

建物を建てる際に高さや大きさを制限するのは、建ぺい率・容積率以外に以下のものがあります。

  • 斜線制限(北側・隣地・道路)
  • 日影規制
  • 絶対高さの制限
  • 高度地区の制限

これらの制限によって建ぺい率・容積率の上限まで建物を建てられないケースがあるほか、斜線制限により建物の上部を斜めにしたり、最上階の天井の高さを低くしたりするケースもあります。上記の制限と建ぺい率・容積率が組み合わさって建てられる建物の大きさや形状が決まるため、土地購入や建物設計の前にしっかり調べておくようにしましょう。

建ぺい率・容積率をオーバーすると違法建築となる

建ぺい率・容積率をオーバーした建物は、建築基準法に反している違反建築物または既存不適格建築物です。建築当時は適法であったとしても、法改正によって規定を満たさなくなった建物は既存不適格建築物として扱われます。また、現在の法に反して建ぺい率・容積率がオーバーした建物を建てると、違法建築になります。

違法建築の物件は、物件を担保にして融資を受けられないほか、正式に流通させられないため売却も難しくなります。建物は評価の対象にならず、土地価格のみで取引されるのが一般的です。

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建ぺい率や容積率の理解を深めて後悔しない家づくりを

建ぺい率や容積率は、理想の家づくりをするときに知っておきたい基本の知識です。気に入った土地を見つけたら、建ぺい率と容積率、その他の条件からどのような家が建てられるのかを調べてみましょう。

キノエデザインは、兵庫県を中心に注文住宅の施工事例が豊富で、実用的かつおしゃれな間取り・デザインの家を提案しております。理想の家を建てられる土地の提案もしておりますので、お気軽にご相談ください。

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建ぺい率 容積率に関するよくある質問

建ぺい率60 容積率200 何階建てですか?

建ぺい率とは、土地全体に対する建物の建築面積の割合を示すもので、容積率は土地全体に対する建物の容積(建築面積×階数)の割合を示します。建ぺい率60%、容積率200%の場合、建物の階数は以下のように計算できます。

まず、建ぺい率60%は、土地全体の60%を建物で占めることができるということを示しています。一方、容積率200%は、土地全体の2倍の容積を建物で占めることができるということを示しています。

したがって、建物の階数は容積率を建ぺい率で割ることで求めることができます。つまり、200% ÷ 60% = 3.33となります。これは、建物が約3.33階建てであることを示しています。

ただし、実際の建築では、0.33階分を建築することはできませんので、この場合は3階建てとなります。ただし、3階の一部をロフトや吹き抜けとするなど、工夫を凝らすことで、有効な空間を確保することも可能です。

建蔽率と容積率の関係は?

建蔽率と容積率は、建築物を建てる際の規制の一部であり、それぞれ異なる意味を持っています。

建蔽率は、敷地全体に対する建物の建築面積の割合を示しています。つまり、敷地全体の何パーセントを建物で覆って良いかを示す数値です。例えば、建蔽率が50%の場合、敷地面積の半分までを建物で覆うことができます。

一方、容積率は、敷地全体に対する建物の延べ床面積の割合を示しています。つまり、敷地全体の何パーセントを建物の延べ床面積で占めて良いかを示す数値です。例えば、容積率が200%の場合、敷地面積の2倍までの延べ床面積を持つ建物を建てることができます。

これらの数値は、都市計画法により各地域ごとに定められており、建物の大きさや形状、敷地利用の効率などを調整するための重要な指標となっています。また、建蔽率と容積率は互いに独立した数値であり、一方が高ければ他方も高いとは限りません。

建ぺい率と容積率をオーバーするとどうなる?

建ぺい率や容積率を超えて建築することは、都市計画法に違反する行為となります。違反が発覚した場合、建築主は建築確認申請が取り消される、建築物の改築や撤去を命じられるなどの処分を受ける可能性があります。

また、違反が重大な場合には罰金や懲役の刑事罰が科せられることもあります。

したがって、建築計画を立てる際には、建ぺい率や容積率を遵守することが重要です。

駐車場は建ぺい率に含まれますか?

はい、駐車場は建ぺい率に含まれます。建ぺい率とは、土地全体に対する建物の建築面積の割合を指すもので、駐車場も建築物としてカウントされます。

ただし、地下に設けられた駐車場や、建物の一部を駐車場として利用する場合は、その部分は建ぺい率に含まれない場合もあります。

具体的な計算方法は、地域や建築基準法などにより異なるため、詳細は専門家にご相談ください。

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