家づくりコラム
収納上手な間取りとは?快適に暮らせる収納のつくり方を実例とともに解説
目次
暮らしが長くなるにつれて家の中に物が増え、片付きにくくなるケースは少なくありません。日々の家事や育児をスムーズに進めるには、暮らしに合った収納を設けることが大切です。しかし、注文住宅を建てる際「どんな収納をつくればいいの?」「どこにどれくらいのスペースを確保すべき?」などと迷う方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、暮らしに役立つ収納の種類やアイデア、収納づくりで知っておきたいポイントを紹介します。具体的な施工事例も紹介していますので、家づくりの参考にしてください。
注文住宅づくりで人気の収納
掃除のしやすさは、収納スペースの配置によって異なります。ここでは、注文住宅で人気の収納について紹介していきます。
パントリー
パントリーとは、キッチンの近くに設ける収納スペースのことです。食料品のストックや調理家電、生活用品などの収納に役立ちます。キッチンは細々とした日用品が多く散らかりがちなスペースですが、パントリーがあれば片付けやすく、長期保存も可能です。
シューズインクローゼット
玄関に隣接して設けるシューズインクローゼットは、靴をはじめ雨具やベビーカー、アウトドア用品など、屋外で使う物の収納に便利なスペースです。外の汚れを室内に持ち込まずに済むため、家の中を清潔に保ちやすくなります。十分な広さがあれば自転車などの大型の荷物も収納可能で、屋外での保管に比べて盗難のリスクを減らせるため、防犯面も安心です。
壁面収納
壁に奥行きの浅い棚やウォールラックなどを設置すると、デッドスペースになりがちな壁面を有効活用できます。壁と一体化させることで圧迫感が出にくく、広い生活スペースを確保できます。文庫本やお気に入りのコレクションなどを並べれば、おしゃれな「見せる収納」としてインテリア性を高められるでしょう。
ファミリークローゼット
ファミリークローゼットに家族全員分の衣類をまとめて収納することで、洗濯や衣類の片付けを効率的に行えます。子ども部屋や寝室に衣類を収納する必要がなくなり、各部屋の収納スペースを必要最小限に抑えられるため、生活スペースを広く活用できるでしょう。
ロフト
ロフトを設けることで、デッドスペースを活かした大型アイテムの収納スペースに利用できるだけでなく、子どもの遊び場にもなります。季節用品や旅行用品、思い出の品など、普段は使わない物を置くスペースにするのがおすすめです。
【間取り別】収納アイデア
常に整理整頓が行き届いた室内空間にするには、間取りごとに適した収納スペースを設けることが大切です。ここでは、間取り別におすすめの収納アイデアを紹介します。
リビング
家族が集まるリビングは、空間を広く使えるように、デッドスペースを活用して収納スペースを設けましょう。代表例に、小上がり下やリビング階段下の収納、床下収納などがあります。また、インテリアに合った飾り棚を置き、隠す収納と見せる収納を組み合わせるのもおすすめです。さらに、収納付きのソファや引き出し付きのセンターテーブルを置くと、細々とした物をしまうのに役立ちます。
キッチン
キッチンに、パントリーを設けるケースが増えています。パントリーには日用品や長期保存が可能な食品を収納できるため、まとめ買いをする家庭におすすめです。また、壁面にオープンシェルフを設置して調理家電や調味料を置き、見せる収納として楽しむ方法もあります。床下収納を設ければ、デッドスペースを活用した収納が可能です。
玄関
何かと散らかりがちな玄関をすっきりとさせたい場合は、家族全員分の靴や雨具をしまえるシューズクローゼットやシューズインクローゼットを設けましょう。アウトドアを楽しむことが多い家庭は、靴のまま出入りできる土間収納があると、自転車やキャンプ用品、スポーツ用品などを収納できて便利です。室内を清潔に保つには、十分な収納スペースを確保し、外の汚れを室内に持ち込まないことを意識するとよいでしょう。
洗面・脱衣所
洗面所や脱衣所には、タオルの取り出しや保管がしやすい棚を設置し、朝の身支度や入浴をスムーズに行えるようにしましょう。ヘアブラシやドライヤー、バスグッズなどを収納するには、サッと取り出しやすい洗面台の下や横に収納スペースを設けるのがおすすめです。また、近くにファミリークローゼットがあると、入浴後の着替えがスムーズになったり洗濯家事が効率的になったりします。
トイレ
トイレに収納を設けると、トイレットペーパーのストックや掃除用具などを保管できます。カウンターの下に扉付きの収納棚を設置すれば、外から見えることなく、すっきりと片付けられるでしょう。
寝室
寝室に必要な収納スペースは、夫婦の衣服や寝具を収納できるクローゼットです。たとえば、ウォークインクローゼットを設けて1年分の衣類をまとめておけば、衣替えの手間を省けます。よく使う小物を置く場合は、家族の写真や記念品を飾れる壁面収納を活用するとよいでしょう。十分な広さのクローゼットをつくるのが難しいときは、小屋裏収納を設ける方法もあります。
子ども部屋
子ども部屋に可動式の棚を設置すると、子どもの成長に合わせて使い方を変えられます。また、扉のない収納は「出す・しまう」の動作がしやすく、子ども自身が整理整頓の習慣を身に付けるのに役立つでしょう。ロフトがあれば、雛人形や学校の記念品といったかさばりやすい物の収納に利用できます。
収納スペースをつくる際のポイント
注文住宅では、収納スペースの設置場所や大きさを自由に設計可能です。ここでは、収納スペースを設ける際に知っておきたいポイントについて解説します。
必要な収納量を把握しておく
収納スペースをむやみに広くせず、家族全員の荷物量を考慮したうえで必要な収納量を確保することが大切です。収納スペースは多い方が良いと考える人も少なくありませんが、収納スペースが増えると、その分生活スペースを圧迫してしまいます。
戸建て住宅に適した収納率は、一般的に延床面積の10~15%程度といわれています。収納率を一つの目安に、ライフスタイルや家族構成の変化も見越して収納量を考えるとよいでしょう。
動線に沿って収納を設置する
物を使う場所の近くに収納を配置すると、取り出したりしまったりするための手間が省けるため、家事を効率的に行えます。たとえば「洗濯物は1階で洗って2階に干し、1階に収納する」といった動線の場合、階段の上り下りが発生し、移動の手間や時間がかかるだけでなく身体に負担がかかりかねません。室内でどのように移動するのかをシミュレーションし、動線に沿って収納をつくると暮らしがスムーズになります。
将来の暮らしまで考えて配置する
注文住宅で長く暮らし続けるうちに、家族構成やライフスタイルは変化します。子どもが生まれる予定がある場合は、子どものための収納スペースに余裕をもたせておくとよいでしょう。ただし、子どもの独立などで荷物の量が変わると、収納スペースを持て余す可能性もあります。別の用途に変更できるようにしておくなど、柔軟に活用できる工夫を盛り込みましょう。
収納アイデアを活かした間取りの施工事例
ここでは、さまざまな収納アイデアが詰まった施工事例を紹介します。家づくりのヒントを見つけてみてください。
小上がり下の収納事例
家事効率と収納量の確保を両立した施工事例です。洗う・干す・しまうを一カ所で行えるランドリールームや、おもちゃやアウトドア用品などをまとめてしまえる土間収納があり、すっきりと片付けられる住まいを実現しました。家族団らんや来客の際に人が集まりやすいリビングには、小上がり畳コーナーの下部に引き出しがあり、季節用品やベビー用品などを収納できます。綺麗な空間の維持に役立つ、魅力的な収納スペースです。
土間収納/ウォークインクローゼットの収納事例
二階建て住宅に、土間収納やウォークインクローゼットなどを設けた住宅の施工事例です。土間収納にはベビーカーやアウトドア用品を収納でき、帰宅してそのまま片付けられるため、汚れを室内に持ち込まずに済みます。寝室のウォークインクローゼットは、広々とした空間で見渡しやすい設計のため、スムーズな身支度が可能で機能性と快適性を高めています。
大容量収納/ドレッサールームの収納事例
トレーニングルームなどのこだわりの間取りを実現しつつ、ドレッサールームなどの大容量の収納も確保した施工事例です。玄関から入ってまっすぐ進んだ場所に、コートや荷物を置ける洗面所付きの収納スペースがあり、帰宅直後の片付けが一カ所で済むように工夫されています。
ファミリークローゼットの収納事例
シックなデザインと、効率的な家事動線を実現した住宅の施工事例です。家族全員の衣類や小物を収納できるファミリークローゼットは、ランドリールームとキッチンがつながったウォークスルータイプで、日々の洗濯家事を効率的に行えます。
家族に合った収納計画で快適な間取りづくりを
収納が不足したり使いづらかったりすると、家の中がなかなか片付かずストレスの原因につながる場合もあります。暮らしやすい注文住宅づくりを行うには、収納スペースの容量や配置にも気を配らなければなりません。
キノエデザインは兵庫県を中心に、個性やこだわりのつまった注文住宅を手がける住宅メーカーです。効率的で使いやすい収納がある家づくりをご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。
収納の間取りに関するよくある質問
戸建ての収納スペースの目安は?
戸建ての収納スペースの目安は、延床面積の10%〜15%程度が理想とされています。たとえば、延床面積が100平方メートルの家であれば、10平方メートル〜15平方メートルの収納スペースがあるとよいでしょう。必要な収納スペースは家族構成やライフスタイルによって変わるため、設計の際は収納したいアイテムを具体的にイメージし、適切な広さを確保することが重要です。また、収納の配置や使い勝手を考慮し、効率的な収納計画を立てることも大切です。
間取りの収納率はどれくらいが理想ですか?
理想的な収納率は延床面積の10%〜15%程度ですが、家族構成やライフスタイル、持ち物の量によって変わります。収納スペースが十分に確保されていると、生活空間をより広く使えて、家全体がすっきりとした印象になります。収納を計画する際は、各部屋の用途や動線を考慮し、必要な場所に適切な収納スペースを設けることが重要です。
間取りで後悔していることランキングは?
間取りで後悔していることランキングとして、1位には収納スペースの不足がよく挙げられます。収納が足りないと物があふれてしまい、部屋が狭いと感じることがあります。2位は、動線の悪さです。特にキッチンや洗面所、玄関などの動線が悪いと、日常生活でのストレスが増します。3位は、部屋の広さや配置の不満です。部屋が狭すぎたり使い勝手が悪い間取りであったりすると、生活の質に影響します。これらの後悔を避けるには、事前にしっかりとしたプランニングとシミュレーションを行うことが重要です。
間取りには収納は含まれますか?
はい、間取りには収納スペースも含まれます。間取り図には、部屋の配置だけでなく、クローゼットやパントリー、シューズクロークなどの収納スペースも示されています。収納は生活の利便性を高める重要な要素であり、注文住宅を設計する際は、収納の配置や容量をしっかりと考慮することが大切です。収納スペースを十分に確保することで、家全体がすっきりとした印象になり、快適な生活空間を実現できます。
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