家づくりコラム
家事動線の良い間取りの注文住宅|便利ポイントとおすすめアイデアを紹介
目次
注文住宅を建てる際、どのような間取りにすれば快適な暮らしを実現できるか、とお悩みの方も多いでしょう。せっかく家づくりをするなら、動線を意識して、家事の効率アップや時短につながる間取りを考えるのがおすすめです。
本記事では、家事動線の良い間取りの条件やこだわりたいポイント、実際の施工事例などを紹介します。家事を楽にして作業効率の高い家づくりを考えている方は、ぜひ参考にしてください。
家事動線の良い間取りとは?
家事動線を意識した間取りにすることは、家事の効率アップや時間短縮につながります。実際にどのような間取りにすれば良いのかお悩みの方に向けて、まずは3つのポイントを紹介します。
収納
家事動線の良い間取りを考える際に、押さえておきたいポイントの1つは収納力です。家事を行う場所ごとに必要なものを収納できるスペースがあれば、作業効率が上がり時間短縮にもつながります。
例えば、玄関には掃除道具や子どもの遊び道具をしまえる収納が便利です。ランドリールームには衣類やタオル、洗剤などがしまえるスペースがあると良いでしょう。キッチンには食品をストックできる収納があれば、キッチンが散らかりにくくなることはもちろん、災害時の水や食料を備えておくこともできます。
移動距離
家事をする際の移動距離を少なくすることも大切なポイントです。洗濯機と物干しスペースが近ければ、洗濯が終わり次第スムーズに洗濯物を干すことができます。また、玄関とキッチンの距離が近ければ、買い物をした後に重い荷物を運ぶ労力を減らすことができ便利です。
その他、家事をまとめて行えるよう水回りを集約したり、ゴミの置き場所をゴミ収集所に近い位置に設けるなど、移動距離を考慮することで家事の負担を大幅に減らせる可能性が高まります。
回遊性
回遊性とは、家の中をぐるりと回れる行き止まりのない動線のことです。部屋と部屋の移動距離が短くなるため、家事をスムーズに行いやすくなります。また、動き回れるスペースが多いことで空間を広く感じやすいことも魅力です。特にキッチンや洗面所、玄関の回遊性が良いと、家事効率がさらに良くなるでしょう。
家事動線を良くする間取りアイデア
次に、家事動線を良くするために取り入れたい間取りの具体例を5つ紹介します。間取りづくりに悩んだ際は、以下のアイデアを取り入れてみてください。
水回りを集約する
家事は2つ以上のことを同時進行することが多いため、特に水回りを集約すると時間短縮につなげやすくなります。洗濯機を回している間に料理をしたり、お風呂とトイレの掃除をまとめて行ったりできれば、家事を効率化できるでしょう。
ただし、家事のしやすさを重視しすぎるあまり、家族の生活動線が悪くなってしまっては本末転倒です。洗面所やトイレなど、家族が同じ時間帯に使うことが多い場所は、回遊動線を取り入れるなどして混雑しないよう工夫しましょう。
パントリーを設置する
パントリーとは、キッチンの横に設けた食品をストックするためのスペースです。食品の在庫を一目で把握できることで無駄な買い物を防いだり、乾物などの日持ちする商品をまとめて保存しておけたりするメリットがあります。
また、キッチンペーパーなどの備品もまとめて収納できます。パントリーがあればキッチンに物を置かずに済むため、常にスッキリした状態を維持できるでしょう。
ファミリークローゼットを設置する
ファミリークローゼットとは、家族全員が使える広めのクローゼットのことです。後述するランドリールームと隣接した間取りなら、洗濯が完了した衣類をそのまま収納できるため、家事の負担をグッと減らすことができます。
ウォークインタイプのファミリークローゼットであれば、洗濯物を畳む手間が省けるのでさらに便利です。クローゼット内で着替えた際に脱いだ服もすぐ洗濯カゴに入れられるので、家族の服で家の中が散らかることも防げます。
ランドリールームを設置する
ランドリールームとは、洗濯に関するあらゆる家事を行う場所を指します。ランドリールームを洗濯機がある場所に設置すれば、洗濯物を干したり、アイロンをかけたりするといった一連の動作を同時に行えて便利です。
洗濯物を日当たりの良い場所で干したい方は、サンルームやドライルームを日当たりの良い場所に別途設け、ランドリールームにできるだけ近くなるような動線をつくると良いでしょう。
家事室を設ける
家事室とは、洗濯物を畳んだりアイロンをかけたりするほか、裁縫や家計簿をつけるなど、さまざまな家事に利用できる場所のことです。ユーティリティルームと呼ばれることもあります。
家事室もほかの家事と同時に行えるよう、ランドリールームやキッチン、勝手口などとつなげることで利便性が増すでしょう。急な来客の際に、物を一時保管できる場所としても役立ちます。
家事動線のこだわった間取りの施工事例
ここからは、実際に家事動線にこだわった間取りの事例を紹介します。ぜひ間取りを考える際の参考にしてください。
洗面所直結のウォークインクローゼットで家事の効率化を実現した住まい
家事や生活がしやすいよう、浴室、洗面所、ランドリールームなどの水回りを1箇所にまとめた間取りです。そのうえで、どこからでもアクセスしやすい場所にウォークインクローゼットを設けています。
家族全員で使えるウォークインクローゼットがあれば、洗濯が終わった衣類を干したりしまったりする際もスムーズに完了させることが可能です。ウォークインクローゼットはハンガーのまま衣類をかけられるため、家事の手間を大幅に短縮できることも魅力といえます。
事例:家事動線アップで愛犬と快適に暮らせる生活を叶えたデザイン住宅
効率的な家事動線と生活動線のある住まい
キッチンとランドリールームをつなげ、その先にお風呂を設置した間取りです。キッチンとランドリールームが近ければ、料理をしている最中でも洗濯物が終わったことに気づけるため、家事を同時進行しやすいなどのメリットがあります。
また、キッチンとお風呂場が近ければ、お風呂に1人で入らせるのが心配な年齢の子どもでも、すぐに様子を見に行けるので安心です。シューズクロークには居室に通り抜けできる入り口をつくり、そのまま家に上がれる回遊性を確保していることもポイントです。
家事動線抜群のアイランドキッチンのある暮らし
アイランドキッチンを中心に、家事動線に力を入れた間取りです。アイランドキッチンは左右に出入り口があるため作業動線が良く、複数人で利用する場合もお互い邪魔になりにくい点がメリットです。
また、デザイン性や開放感にも優れており、家事動線だけでなく見た目の良さも両立しています。キッチンの後ろには洗面所や浴室、パントリーなどがあり、家事のしやすさはもちろん、収納面にもこだわっています。
家事動線の良い間取りづくりのポイント
最後に、家事動線の良い間取りを考える際に意識したいポイントを3つ紹介します。
楽にしたい家事の優先順位を決めておく
すべての家事を効率化できる間取りは理想的ですが、実際には予算や家の広さ、敷地の形状などによって、何もかもを実現することは難しいでしょう。そのため、間取りを考える際はどの家事を優先して楽にしたいか考えておくことをおすすめします。
例えば、片付けを楽にしたいなら収納に力を入れる、洗濯を楽にしたいなら水回りの回遊性に力を入れる、などです。現時点で、苦手意識や負担に感じている家事をイメージしながら間取りを考えるのも良いでしょう。
「ながら」家事を意識する
何かをしながら家事ができるような間取りにすることもポイントです。子どもが小さいうちは子どもの様子を見ながら料理や洗濯ができる間取りにすれば、わざわざ様子を窺う手間が省けます。
また、玄関からリビングに向かう途中に日用品の収納場所を確保すれば、買い物したものをすぐにしまうことができ便利です。「ながら」家事を意識すれば、家事の効率を一挙に高められるでしょう。
実際の家で体験する
間取りを図面だけで確認しても、実際に生活しているイメージが湧かないこともあるかもしれません。その際は、自分たちにとって理想的な間取りを採用しているモデルハウスを見に行くことも1つの方法です。
実際の家を体験することで、家事のしやすさをイメージできます。また、キッチンやランドリールームの広さなども確認できるため、家族の人数に合った間取りを改めて考える機会につながります。
家事動線の良い間取りにして快適空間をつくろう
注文住宅の間取りを考える際は、動線を意識することで家事の効率化や時間短縮を実現できます。楽にしたい家事の優先順位を決めたうえで、収納スペースや回遊性のある間取りを取り入れてみましょう。
キノエデザインでは、施工事例で紹介したような家事動線に力を入れた間取りもご提案しています。自然素材をたっぷり使った快適なマイホームを実現したい方は、ぜひ一度キノエデザインまでお問い合わせください。
家事動線の間取りに関するよくある質問
家事動線の良い間取りとは?
家事動線の良い間取りとは、日常の家事作業がスムーズに行えるように設計された間取りのことです。具体的には、キッチン、ダイニング、リビング、洗濯室、収納スペースなどが適切に配置され、無駄な移動を減らし、効率的に家事ができるようになっています。例えば、キッチンからダイニングへのアクセスが良好で、リビングや子供部屋が近くにあることで、家族の様子を見ながら料理をすることができます。
また、洗濯機から洗濯物を干す場所までの距離が短い、収納スペースが豊富で使いやすい位置にあるなど、日々の家事負担を軽減する工夫がされています。
帰宅動線の良い家のメリットは?
帰宅動線の良い家のメリットは、日々の生活の利便性が大きく向上することです。具体的には、以下のような点が挙げられます。
- **効率的な家事動線**:帰宅後、手荷物を置いたり、着替えたりする場所がスムーズに設計されていると、家事の効率が上がります。例えば、玄関からキッチンや洗濯室へのアクセスが良いと、買い物帰りの荷物の片付けや洗濯物の処理が楽になります。
- **プライバシーの保護**:玄関から直接リビングに入る間取りではなく、玄関ホールや廊下を介してプライベート空間へと移動する設計は、訪問者から家の内部を見られにくくするため、プライバシーを守りやすくなります。
- **清潔な室内環境**:玄関近くに手洗い場や脱衣スペースを設けることで、外から持ち込まれる汚れや菌を室内に持ち込みにくくし、清潔な室内環境を保ちやすくなります。
- **安全性の向上**:帰宅時に暗い外部から直接リビングに入る設計ではなく、適切な照明と視界の確保された動線を設計することで、夜間の安全性が向上します。
- **ストレスの軽減**:日々の生活でストレスを感じることなく、スムーズに家事や生活ができるようになるため、家族全員のストレスが軽減され、快適な生活を送ることができます。
以上のように、帰宅動線の良い家は、日常生活の利便性と快適性を高めるだけでなく、家族の健康や安全にも配慮された設計となっています。
家の間取りはどうやって決める?
家の間取りを決める際には、以下のステップを踏むと良いでしょう。
- **家族構成とライフスタイルを考慮する**:家族の人数や年齢、趣味や生活習慣を考慮して、必要な部屋数や機能をリストアップします。将来の家族構成の変化も想定しておくと良いでしょう。
- **予算を明確にする**:間取りを決める前に、建築予算を明確にしておくことが重要です。予算内で実現可能な間取りの範囲を把握しておくことで、無理のない計画が立てられます。
- **土地の特性を考慮する**:土地の形状や方位、周囲の環境など、土地の特性を考慮して間取りを決めることが大切です。日当たりや風通し、プライバシーの確保など、住み心地の良い家づくりには欠かせません。
- **将来の変更や拡張の可能性を考える**:将来的に家族構成が変わる可能性や、リフォームや増築の可能性を考慮して、柔軟に対応できる間取りを検討すると良いでしょう。
- **プロの意見を参考にする**:建築家や設計士などのプロフェッショナルの意見を参考にすることで、より機能的で快適な間取りを実現できます。自分たちでは気づかないポイントを指摘してもらえることもあります。
- **多くの間取り例を参考にする**:実際に建てられた家の間取りや、住宅展示場を訪れてみることで、具体的なイメージが湧きやすくなります。インターネットや住宅雑誌なども参考にしましょう。
これらのステップを踏むことで、自分たちの理想とする家の間取りを決めることができます。
家事動線の幅はどのくらいですか?
家事動線の幅に関しては、快適な動きやすさを確保するために、最低でも90cm〜120cm程度のスペースを確保することが推奨されています。特にキッチンや洗濯機の周りなど、家事を行う上で頻繁に移動するエリアでは、作業スペースとしても十分な幅を確保することが大切です。
ただし、家の間取りや家族のライフスタイルによって最適な幅は異なるため、個々のニーズに合わせて計画することが重要です。