家づくりコラム
注文住宅購入の流れとは?期間・費用・注意点まで徹底解説
目次
注文住宅は、理想のマイホームづくりを目指す大きな買い物です。
検討をはじめてから実際に住めるようになるまでには1年ほどかかり、さまざまなことが同時進行していきます。
納得の家づくりをするためには、不動産会社や建築会社、金融機関など関係する専門の方々のサポートに身をゆだねるだけでなく、全体の大まかな流れを把握して進めていくことが必要です。
そこで、この記事では注文住宅の全体の流れや引渡しまでに要する期間・費用、注文住宅を建てる際の注意点などについて解説します。
注文住宅を検討している方や、どのような点に注意すれば良いかわからないという方は、ぜひ参考にしてください。
【土地なし】注文住宅の全体の流れ
土地を購入して注文住宅を建てる場合、次のような流れになります。
①予算決め・建てたい住宅のイメージづくり
②土地・建築会社探し
③間取り相談、見積り依頼
④住宅ローン事前審査
⑤土地の売買契約
⑥工事請負契約
⑦住宅ローン本審査
⑧詳細打合せ・プラン決定
⑨土地引渡し・着工
⑩建物完成・引渡し
土地なしの場合は、マイホームを建てるための土地探しから始める必要があります。
土地の購入と住宅の建築工事にかける予算を検討し、予算を決めたら、建てたい住宅の間取りや外観のイメージなどを検討していくのが一般的な流れです。
なお、土地の購入を先行すると建築工事費とのバランスが難しくなるため、建築会社選びと並行して土地探しを行うのがオススメです。
なかには土地を探してくれる建築会社もあるので、相談してみるのも良いでしょう。
土地なしのメリット
土地を持っていない場合、自分が希望するエリアに土地を探すことができます。
立地条件を優先しやすく、好みの建築会社で建てることも可能です。
また、土地よりも建物にこだわりたいという方は、プランやイメージなどを先にある程度固めたうえで建物に合わせた土地探しをすれば、土地に制限されない理想の家が建てられるでしょう。
土地探しについて詳細はこちら:
土地探しにかける期間は何ヶ月が妥当?効率的な探し方を徹底解説
【土地あり】注文住宅の全体の流れ
すでに土地を所有している場合の注文住宅づくりの流れは、以下のとおりです。
①予算決め・建てたい住宅のイメージづくり
②建築会社探し
③間取り相談、見積り依頼
④住宅ローンの事前審査
⑤工事請負契約
⑥住宅ローン本審査
⑦詳細打合せ・プラン決定
⑧着工
⑨建物完成・引渡し
土地ありの場合は、土地がない状態からの進行と比べて建物プランの打合せや着工までが比較的スムーズに進められます。
また、土地が決まっていないと間取りや建物の大きさ・形状などが変わる可能性があり、見積り時点では具体的なプランを検討しづらいですが、土地ありの場合は土地に合わせて建物プランを検討でき、初期段階から具体的な見積りが取りやすくなるでしょう。
土地ありのメリット
土地を持っている場合、土地を購入する手間や費用が必要なくなるので、土地がない場合と比べて全体にかかる費用や手間が大きく軽減できます。
また、その土地に合わせたイメージやプランづくりを早くから進められます。
予算に余裕があれば、建築費に費用をまわせるため、希望の建物の性能や設備等を取り入れやすくなるのもうれしいポイントです。
全体にかかる期間・費用
注文住宅の完成までに要する期間は、1年~1年半ほどです。土地探しが必要なければ、1年ほど見ておくと良いでしょう。
ステップごとで大まかに分けると、予算の検討や住宅のイメージづくりに1ヶ月程度、土地探しに3ヶ月程度、プラン作成や建築会社の決定に3ヶ月程度、契約・住宅ローンの手続き等に2ヶ月程度、着工から完成までは5ヶ月程度かかります。
契約や住宅ローンの手続きなどはほかのステップと並行して行えるため、順調に進められれば期間を短縮できますが、プランがなかなか決まらない、天候の影響で工期が遅れてしまう、などの理由で想定していたスケジュールより長引くことも少なくありません。
注文住宅にかかる費用は、主に「本体工事費用」「付帯工事費用」「諸費用」の3つに分けられます。
総費用の大部分を占めるのが本体工事費用(建築費)で、総費用の7~8割程度を占めているのが一般的です。
建築以外にかかる付帯工事費用は、外構工事や屋外の給排水工事などのほか、必要に応じて建物の解体、土地の地盤改良工事が発生します。総費用の2割弱程度が目安です。
契約に付随してかかる諸費用には契約時の税金や登記費用、火災保険料、住宅ローン手数料などが挙げられ、建築費の1割弱程度が相場といえるでしょう。
期間について詳細はこちら:
【徹底ガイド】注文住宅が完成するまでの期間や流れ、スムーズな進め方
費用について詳細はこちら:
【注文住宅の諸費用】内訳、安く抑える方法を把握して賢い家づくりを
注文住宅の資金計画を立てる方法|ステップごとにわかりやすく解説
住宅ローンの進め方
注文住宅を建てる場合、ほとんどの方は住宅ローンを利用します。
そこで、住宅ローンを組むときの流れを土地と建物の二本立てにする場合と、土地と建物のローンを一本化する場合、および融資が実行されるまでに発生する各種の代金支払いのタイミングについて解説していきます。
まず、支払いが発生するタイミングは以下のとおりです。
(1)代金支払いのタイミング
- 土地の売買契約時:土地の手付金支払い
- 土地の引渡し時:土地の残代金支払い
- 建物の工事請負契約時:建物の手付金支払い
- 着工時:着工金支払い
- 上棟時:建物の中間金支払い
- 建物完成・引渡し時:建物の残代金支払い
住宅ローンを利用すれば、契約時などにも手出しが必要ないと思う方もいますが、手付金や中間金などは手出しが必要です。
住宅購入時には最低限の資金確保が必要といえるでしょう。
次に、ローンの流れを以下でそれぞれ紹介します。
(2)土地と建物二本立てでローンを組む場合の流れ
- 土地の売買契約前の申し込み時点でローンの事前審査
- 事前審査が通ると土地の売買契約後に土地のローン本審査への申し込み
- 本審査に通ったら金融機関と土地の金消契約締結
- 土地の引渡し時に土地のローンは融資実行
- 建物の工事請負契約時点で建物のローン本審査に申し込み
- 建物の本審査も通ったら金融機関と建物の金消契約締結
- 建物の引渡し時点で建物のローンの融資実行
(3)土地と建物のローンを一本化する場合の流れ
- 土地の売買契約をする前の申し込み時に事前審査
- 建物の工事請負契約後に住宅ローンの本審査申し込み
- 本審査に通ったら金融機関と金消契約締結
- 建物の引渡し時点で住宅ローンの融資実行
注文住宅の場合、一定の要件を満たせば土地の引渡し(決済)から建物が完成して融資実行となるまでにつなぎ融資が利用できます。
つなぎ融資は、土地の融資額の月々に分割した利息分の支払いで済むため、負担が少ないというメリットがあります。
ただし、つなぎ融資を取り扱っていない金融機関もあるため注意が必要です。
金利について詳細はこちら:
固定金利と変動金利の違いとは?メリットデメリットや選び方を紹介
注文住宅を建てる際の注意点
注文住宅が完成するまでの全体のスケジュールや、住宅ローンの流れについて大まかに理解し、決めることや手続きの多さに驚いた方も多いのではないでしょうか。
ここでは、スムーズかつ納得のいく注文住宅づくりを行うための注意点を紹介していきます。
希望する入居開始日を設定し、逆算して余裕を持ったスケジュールを立てる
注文住宅はイメージづくりから完成・引渡しまで1年ほどかかるため、入居開始の希望日や目安がある場合は、逆算したスケジュール設定やそれに合わせた行動が必要です。
土地から探す場合は土地が決まるまでに時間がかかるうえ、設計プランの打合せの際も、こだわりが強すぎると打合せに時間がかかりすぎてしまい、着工が遅れるなど完成までに2年以上かかるケースもあります。
工期の遅れなども想定し、余裕を持ったスケジュール設定をして早めにスタートするようにしましょう。
予算を決めておく
注文住宅は建売住宅と異なり設計段階から希望を反映していくことになるので、間取りだけでなく使用する素材や取り入れたい住宅設備など、決めなければならないことがたくさんあります。
最新の設備やおしゃれなオプションに魅力を感じ、気付いたら大幅に予算オーバーしている、というケースも少なくありません。
また、住宅ローンの借入額に余裕があるからと予算を増やすと、返済計画が苦しくなってしまうこともあります。
ほかにも建築を進めていくうえで、地盤改良の工事が必要になるなど予期しない追加費用が必要になることも考えられるでしょう。
無理のない返済を続けられるようにするためにもあらかじめ予算を決めておき、予算から大幅にズレがないようにオプションの増減を上手に調整することがポイントです。
優先順位を決めておく
予算を決める際の大事なポイントでもありますが、打合せをスムーズに進めるためには家族間で「どこにこだわりたいか」をあらかじめ確認して決めておくことが重要になります。
理想の注文住宅をつくるためにデザインや最新設備の導入に力を入れると、その分建築費が高くなってしまいます。
あらかじめこだわりたいポイントを複数挙げて、その中で優先順位を決めておくと、予算内でどこにお金をかけてどこで抑えるべきかが必然的に見えてくるでしょう。
将来のライフプランまで考慮した選択をする
住宅を建てるエリアや設備・間取り等を決める際に、注文住宅を購入する時点での家族構成やライフステージに合わせる方が多いですが、注文住宅は長期的に住むことを想定して建てるため、ライフステージの変化に対応できるような家づくりが重要です。
小さい子どもが大きくなった場合や子どもが複数人になった場合、子どもが独立して夫婦2人生活になった場合、両親との同居が必要になった場合、勤務先が変わった場合など、あらゆるライフプランを想定して間取りや設備を工夫するようにしましょう。
自分に合った建築会社を見つける
注文住宅を建てる際の建築会社選びは、家づくりを成功させるためにとても重要です。
長期の付き合いとなる建築会社が自分と合わないと、打合せにストレスを感じたり、希望する注文住宅が建てられなかったりするため、後々トラブルに発展してしまうこともあります。
建築会社が自分の希望するデザインや品質・技術への対応力があるかどうかは、施工事例などを見て確認できます。また、担当者の人柄やコミュニケーション力も大切です。専門的な知識はもちろんですが、自分の希望に沿った適切な提案をしてくれる担当者かどうかを見極めるようにしましょう。
ほかにもサービス内容などさまざまな点において比較・検討し、自分に合った建築会社と家づくりを進めていけると大きな満足感も得られます。
関連記事はこちら:
注文住宅で失敗しないために必要なこととは?失敗例からわかるコツ
注文住宅の流れを理解して家づくり期間を充実させよう
注文住宅は、理想の家づくりを実現してくれます。
土地から探す場合と、所有している土地に合わせてプランを入れるところから始める場合がありますが、注文住宅を建てるには、少なくとも1年程度の期間を要します。
期間を短縮するにもじっくり時間をかけるにも、最終的に納得のいく家づくりができるよう、完成までの期間を充実させる工夫が必要です。
家づくりを成功させるためのポイントの一つとして挙げられるのが、建築会社選びです。
キノエデザインは「HOME(建物とその空間)」をデザインし、ご家族の理想の暮らし方や住み心地をカタチにしています。
理想の家づくりの際は、ぜひキノエデザインにご相談ください。