家づくりコラム
タイルデッキをフラットにする方法|費用感やメリット・デメリット、注意点とは
目次
セカンドリビングとしても活用できるのが、おしゃれなタイルデッキです。注文住宅を建てる際、タイルデッキを設置したいという方は多いのではないでしょうか。フラットなタイルデッキがあれば、生活動線がスムーズになり安全面でも安心して暮らせます。
本記事では、タイルデッキの概要や施工費用の相場、メリット・デメリット、注意すべきポイント・対策についても詳しく解説します。快適な空間づくりをしたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
タイルデッキとは
タイルデッキとは、コンクリートなどの土台にタイルを貼り付けてつくった屋外スペースを指します。タイルは耐久性やデザイン性に優れ、メンテナンスが容易な点が特徴の素材です。種類が豊富にあるため、好みに合わせてデザインが選べるのも魅力です。タイルデッキは洗濯物干しやバーベキューをするスペース、セカンドリビングなどとしても活用できます。
施工費用相場
タイルデッキの施工費用は、素材の種類や設置場所、施工業者などによっても異なります。一般的な相場は、1㎡あたり約1.5万~2万円です。タイルデッキを設置するケースとして多い広さ別に、施工費用の相場を以下にまとめました。
施工面積 | 施工費用相場 |
7㎡(約4.5畳) | 10.5万~14万円程度 |
10㎡(約6畳) | 15万~20万円程度 |
12㎡(約8畳) | 18万~24万円程度 |
また、グレードの高いタイルを選ぶ場合や、広い面積を施工する場合はさらに費用がかかることもあります。
加えて、高さの調節や屋根の設置などはオプション扱いとなり、別途追加料金が発生いたします。タイルデッキを施工する場合の正確な見積もりは、専門業者に依頼して把握いたしましょう。
タイルデッキのメリット・デメリット
続いて、タイルデッキのメリットとデメリットについて解説します。
メリット
タイルデッキはデザイン性に優れ、カラー・サイズの組み合わせによって個性的な外構やエクステリアを演出できます。また、紫外線や雨に強く、腐食・劣化の心配が少ないため、高い耐久性や長期間にわたって美しさを保てる点も魅力です。
メンテナンスの手間がそれほどかからず、手軽に高級感のある空間づくりが叶うでしょう。タイルデッキは、デザイン性と実用性を兼ね備えた、魅力的な屋外スペースを持ちたい方におすすめです。
デメリット
タイルデッキには多くのメリットがありますが、注意点もあります。まず、土台にコンクリートを使用するため施工期間が長く、1週間ほどかかるのが一般的です。また、タイルは気温の影響を受けやすく、夏は熱く冬は非常に冷たくなるため、素足での利用に注意しましょう。
さらに、水に濡れると滑りやすくなるため、小さな子どもや年配の方がいる家庭では転倒リスクに配慮が必要です。ほかにも、汚れやひび割れが目立つ可能性がある点なども理解しておきましょう。
タイルデッキと室内の床をフラットにする方法
タイルデッキと室内の床の高さを揃えることで、段差がなくなりスムーズな動線を実現できます。ここでは、屋内外をフラットにつなぐための具体的な方法や注意点を紹介します。
グレーチングを設置する
グレーチングとは主に金属製の格子状の蓋で、排水機能を持ち、見た目にも優れている点が特徴です。タイルデッキと室内の床をフラットにつなぐ際にも採用されており、段差を解消しつつ自然な動線を確保できます。
建物の外観やデッキのデザインに溶け込むよう設計されたタイプも多く、室内からの眺めを損なわず、美しい景観と快適さの両立が実現可能です。
グレーチングでフラットにするメリット
グレーチングを取り入れたタイルデッキは、スタイリッシュで現代的な雰囲気を演出し、家の外観をより魅力的に見せてくれます。また、室内と外部の段差がなくなることで、視界が遮られず、広がりのある開放的な空間が生まれます。
さらに、格子状の構造により水や汚れが自然に下へ流れやすく、掃除が楽になるのもメリットです。落ち葉などのゴミも溜まりにくく、湿気がこもりにくいため、いつでも清潔で快適な状態を保ちやすいのが特徴です。
グレーチングでフラットにするデメリット
グレーチングを設置すると、砂利を使う場合に比べて費用が高くなります。使用する素材のグレードによっても変わりますが、グレーチングの場合は材料だけでも1mあたり1万~2万円ほどかかるのに対し、砂利は1mあたり1,500円程度が相場です。
また、グレーチングは金属製のものが多いため、日光の照り返しで強い光が反射し、眩しさを感じることがあります。特に夏の強い日差しの時期は、照り返しが快適な屋外時間の妨げになることもあるため、何らかの対策が必要でしょう。
砂利を敷く
サッシとタイルデッキの間に小石を敷くことで簡単に床の段差をなくし、フラットな空間をつくることが可能です。施工は難しくなくDIYで気軽に取り組めるため、初めての方にもおすすめです。砂利の色や大きさを変えることで多彩な表情や雰囲気を演出でき、自然素材ならではの落ち着いた空間を実現できます。
ただし、砂利は重さがあり風や雨で散らばることもあるため、定期的な掃除やメンテナンスが必要になる点は理解しておきましょう。
砂利でフラットにするメリット
上述したように、砂利はグレーチングに比べて設置費用を抑えられる点が大きなメリットです。また、タイルデッキと室内の床の間に砂利を敷く方法は、専門業者に依頼せずとも自分で手軽に行えるため、DIY初心者にも取り組みやすい方法といえます。特別な道具や技術が不要で、近所のホームセンターで簡単に購入できるのも便利でしょう。砂利が足りなくなった場合も少量ずつ追加でき、量の調整が苦手な方でも安心して作業を進められます。
砂利でフラットにするデメリット
湿気の多い場所では、砂利の中に虫が発生することがあります。砂利の隙間には蚊やアリ、ハチなどの害虫が潜みやすく、虫を引き寄せやすいのが特徴です。
また、砂利の不均一な表面は掃除が難しく、葉っぱやゴミが間に入り込みやすいため手間がかかります。さらに、風や雨で砂利が散らばることもあるため、定期的に元に戻す必要がある点にも注意が必要です。
タイルデッキと室内の床をフラットにする場合の注意点・対策
タイルデッキと室内の床をフラットにする際は、施工費用やメンテナンスの手間など注意すべき点もしっかりと押さえておきましょう。ここでは、快適で安全な空間づくりのためのポイントや対策を解説します。
施工費用が高くなる
グレーチングを用いた施工は、通常の工法に比べて材料費や施工費が高くなる傾向があります。そのため、費用面で無理なく進めるためには、複数の施工業者から見積もりを取り寄せ、比較検討するのがおすすめです。
施工業者ごとに価格やサービス内容が異なるため、細かく比較することで予算に見合った納得のいく選択がしやすくなります。事前に十分な情報を集めることが、満足度の高い仕上がりにつながるでしょう。
デッキと地面との段差が大きくなる
室内の床の高さに合わせてタイルデッキをフラットにする場合、段差が大きくなりやすく、つまずきや転倒のリスクが増えることがあります。特に子どもや年配の方がいる家庭では、安全面で注意が必要です。
段差を避けるために階段を設置する方法もありますが、スペースの制約などで難しい場合は、庭の地面を盛り上げて段差を少なくする方法を検討しましょう。
雨水が溜まりやすい
タイルデッキと室内をフラットにすると、大雨の際に雨水が室内へ入り込むリスクや、グレーチングの下に水が溜まりやすくなる問題が生じることがあります。
浸水などのトラブルを避けるためには、排水を考慮してグレーチングの長さを適切に設計したり、軒を深くして雨の侵入を防いだりするなどの工夫が有効です。
タイルデッキをフラットに施工する際は対策も必要
タイルデッキを室内とフラットに施工することで見た目が美しく、快適な動線が実現しますが、雨水の侵入や段差による危険性など注意点もあります。リスクを防ぎ、安全性と快適性を両立させるためにも、事前に対策をしっかり講じておくことが大切です。
キノエデザインは、自然素材を活かした心地よい空間づくりに定評があり、家族のライフスタイルに合わせたプランを提供しています。「自分たちらしい家を建てたい」とお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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フラットなタイルデッキに関するよくある質問
タイルデッキは何年くらい持ちますか?
タイルデッキの耐久性は、使用するタイルの種類や施工方法、メンテナンスの頻度によって異なりますが、一般的には10〜20年程度持つとされています。タイル自体は耐久性が高く、適切に施工され、定期的にメンテナンスを行うことで、長期間美しさを保つことができます。ただし、気候条件や使用状況によっては劣化が早まることもあるため、定期的な点検と必要に応じた補修が重要です。
タイルデッキ3畳はいくらですか?
タイルデッキの価格は、使用するタイルの種類、施工の難易度、地域、業者によって異なりますが、一般的には3畳のタイルデッキを設置する場合、材料費と施工費を合わせておおよそ20万円から50万円程度が目安です。タイルのデザインや品質、施工の複雑さによって価格が変動するため、具体的な見積もりを取ることをお勧めします。また、DIYで施工する場合は、材料費のみで済むため、費用を抑えることが可能ですが、施工の技術や時間を考慮する必要があります。
タイルデッキとモルタルデッキの違いは何ですか?
タイルデッキとモルタルデッキは、どちらも屋外のデッキスペースを作るための選択肢ですが、素材と仕上がりに違いがあります。タイルデッキは、耐久性のあるタイルを使用しており、デザイン性が高く、さまざまな色やパターンを選ぶことができます。水はけが良く、メンテナンスも比較的簡単です。一方、モルタルデッキは、セメントと砂を混ぜたモルタルを使用しており、よりシンプルで無骨な仕上がりになります。モルタルデッキは、耐久性が高く、重厚感がありますが、ひび割れが発生しやすい場合があります。どちらを選ぶかは、デザインの好みやメンテナンスのしやすさ、予算などによって決まります。