家づくりコラム
中庭のある家で後悔することとは?原因と対策をポイント解説
目次
中庭のある家は開放感があり華やかな印象になるなど、家の魅力の一部となることが多いように感じますが、なかには「中庭をつくって後悔した」というケースも少なくありません。特に、予算や敷地面積など条件に制限がある場合、家づくりは後悔しないように進めたいものです。
この記事では、中庭のある家で後悔しやすいポイントと、それぞれの対策法を紹介します。後悔しない理想的な中庭のある家をつくりたい方は、ぜひ参考にしてください。
中庭のある家で後悔しやすいポイント
注文住宅を建てる際に、中庭のある家を検討する方も多いでしょう。ただし、建ててから後悔しないよう、デメリットについても把握しておく必要があります。以下では中庭のある家で後悔しやすいポイントを解説していきますので、順番にチェックしてみてください。
建築コストが高額
中庭のある家では、シンプルな間取りや形状にするのが難しく、設計や施工が複雑になりがちです。加えて中庭をつくる分、削られる居住面積をまかなえる程度の建物の広さを確保しなければならないため、建築コストが高くなってしまいます。建物の広さ確保だけでなく、中庭に面する壁や窓をつくるのもコストを上げる要因の一つです。
メンテナンスの手間がかかる
中庭のある家は、庭のない家と比べてメンテナンスに手間がかかります。例えば、中庭に芝生を敷いたりウッドデッキを設置したりすると、芝刈りや清掃が必要です。屋外は雨風にさらされるため汚れやすく、定期的にメンテナンスを行わなければ、見た目や快適性を維持することができません。また、中庭に面する窓のサイズが大きいほど窓の清掃も大変です。
断熱性能が低下し光熱費が高くなる
中庭のある家は窓の数や面積が増えやすいため、断熱性能の低下につながる可能性があります。外気の入り口となる窓が増えることで、夏は熱気を、冬は冷気を室内に取り入れやすく、冷暖房効率が悪くなってしまいます。冷暖房効率が悪くなった結果、光熱費が高くなってしまうことは免れません。家の断熱性能を重視する場合は、中庭に面する窓への対策が必要です。
虫が発生しやすい
一般的に、虫は光や水気のある場所に発生しやすいといわれています。中庭のある家は、虫の集合地帯になりやすいため注意しましょう。中庭をつくる際は大きな窓を設置するケースが多く、室内の光が漏れやすくなります。また、中庭は雨や台風などで水が溜まりやすくなります。室内の光や水溜まりに誘われて虫が集まりやすくなるため、未然に防ぐための工夫が必要です。
生活動線が不便
庭の形状にもよりますが、中庭のある家をつくると、生活動線や家事動線が不便になる可能性があります。例えば、家の中心が中庭になる「口の字型」の間取りを採用した場合、一方の部屋から反対側の部屋まで行くのに、中庭をぐるっと回って移動することになりかねません。
生活動線の不便さは、室内の移動にストレスを感じたり、掃除がしにくくなったりするなど、日々の生活利便性や快適性を損ねてしまう可能性があります。室内の生活についても、よく考えて設計することが大切です。
室内が窮屈に感じる
中庭は建物の内側につくられます。中庭のない一般的な家では居住スペースになる部分に設けるため、シンプルな間取りではないうえに居住面積が減って、窮屈に感じるかもしれません。特に、家族の人数が多い場合は部屋数や収納が足りないなど、必要なスペースの確保ができなくなってしまう可能性があります。
十分な予算と敷地面積がある場合は、広さを生かして居住面積も広げられますが、狭小地で中庭をつくる場合は、広く見えるような設計にしたり、デッドスペースを活用するなどの工夫が必要です。
中庭のある家で後悔しないための対策法
上述のように中庭をつくって後悔するケースもありますが、本来は中庭をつくるのは生活に彩りを与えるためであり、上手に対策することでデメリットを解消することができます。中庭のある家をつくって後悔しないために、以下のような点に注意しましょう。
シンプルな形状にする
中庭のある家をつくる際は、なるべく正方形や長方形などシンプルな形状の間取りにすることをおすすめします。シンプルにすることで建物の施工が複雑にならず、全体のコストを抑えることが可能です。また、大きな窓を設置するのもコスト高の要因となるため、部分的に採用するのが良いでしょう。
メンテナンスフリーの素材を選ぶ
中庭は屋外なので室内に比べて汚れやすく、綺麗な状態を保つにはこまめなメンテナンスが欠かせません。特にウッドデッキを設置する場合は用途も広がる分、メンテナンスに手間がかかるでしょう。
対策としては、メンテナンスフリーな耐久性の高い素材を選ぶのがおすすめです。無機ハイブリッド塗料は耐久性や耐候性に優れており、酸性雨や紫外線によるダメージも防ぎやすいため、ウッドデッキを長持ちさせることができます。メンテナンスフリーな耐久性の高い素材を選ぶことで、メンテナンスの手間が省けます。
複層ガラスを設けて断熱性アップ
窓は外部と室内の熱の行き来をする場所です。中庭と面する場所に大きな窓を設置すると断熱性能の低下が見られるため、対策しなければなりません。有効な対策として、窓を複層ガラスにすることが挙げられます。複層ガラスは2枚のガラスの間に空気の層をつくったもので、断熱性アップや結露予防などにも有効です。複層ガラスにすることで冷暖房効率が上がり、省エネ効果も期待できるでしょう。
水はけを良くする
先述のとおり、中庭は水気が溜まりやすいため、虫が発生しやすくなっています。対策として、水はけを良くして排水能力を高めることが大切です。排水設備を整えたり、植木鉢の水受けをなくしたり、タイルを敷き詰めたりすることで水はけを良くすると、水気や湿気が溜まりづらくなるため、虫が集まるのを防げるでしょう。
間取りづくりで生活動線を意識する
中庭を家の中心部につくると、間取りづくりが難しくなりがちです。用事のある部屋までの移動に時間がかかると、室内の生活に不便さを感じてしまうため、間取りを決める際は生活動線を意識し、優先して決めていくことをおすすめします。例えば、頻繁に行き来するリビングと水回りや、寝室とトイレの距離を近くにすると、移動の負担が減り生活や家事がしやすくなります。部屋の配置はよく考えて決めるようにしましょう。
敷地面積を広めに確保する
十分な居住スペースを確保しつつ中庭のある家をつくるためには、敷地面積を広めに確保することが大事です。広い敷地を確保できれば中庭をつくっても居住スペースを削る必要がなくなり、削った場合でも最小限に留まるでしょう。一方、敷地を広くすれば土地代もかかるため、住宅も含めてしっかりとした資金計画を立てることが大切です。
施工実績が豊富な業者に依頼することも大切
中庭のある家をつくる際に後悔しないためには、施工業者の選び方も重要になります。「施工業者」と一口にいっても、実績や得意分野は会社ごとに異なるため、十分に比較してニーズに合った業者を選ぶことが大切です。
中庭のある家を施工した経験が豊富な業者であれば、中庭のデメリットをできるだけ補えるような提案や施工ができます。中庭のある家の施工をカタログやホームページで確認したり、実際に見学したりしながら検討してみましょう。
こまやかな配慮で後悔しない中庭のある家づくりをしよう
中庭のある家で後悔しないためには、中庭のある家で後悔しやすいポイントをよく理解したうえで、対策を図りながら一つずつデメリットを解消していくことです。そうすれば後悔しない、理想的かつニーズを満たした中庭のある家がつくれるでしょう。
キノエデザインでは、三木市や神戸市など兵庫県を中心に豊富な施工実績があり、ノウハウを活かして中庭のある家に関しても、施主様のニーズを考慮した適切なアドバイスや施工を提供することが可能です。中庭のある家づくりで後悔したくない方は、ぜひ一度キノエデザインにご相談ください。
中庭のある家で後悔することに関するよくある質問
中庭のある家のデメリットは?
中庭のある家は、開放感や自然光を取り入れることができるなどのメリットがありますが、以下のようなデメリットも存在します。
- プライバシーの問題: 中庭は家の内部から見えやすいため、プライバシーを確保するのが難しい場合があります。
- 管理・メンテナンス: 中庭は庭と同じく定期的な手入れが必要で、草木の管理や清掃などの手間がかかります。
- 空間の有効活用: 中庭を設けると、その分室内の広さが狭くなる可能性があります。また、中庭の配置やデザインによっては、部屋の配置や動線に制約が出ることもあります。
- コスト: 中庭を設けると、建築費用が増える可能性があります。また、中庭の設備や植物などの維持費用も考慮する必要があります。
これらのデメリットを理解した上で、自分のライフスタイルや予算に合った家づくりをすることが重要です。
中庭に虫が集まるのを防ぐには?
中庭に虫が集まるのを防ぐためには、以下の対策を試してみてください。
- ライトの選択:虫は光に引き寄せられます。特に、白色や青色の光は虫を引き寄せやすいので、暖色系の光を選ぶと良いでしょう。
- 植物の選択:虫を引き寄せる植物を避け、虫を遠ざける植物を選ぶと良いでしょう。例えば、ハーブ類(ラベンダー、ミント、ローズマリーなど)やマリーゴールド、ガーデンジニアなどは虫を遠ざける効果があります。
- 水たまりの排除:虫は水分を求めて集まるため、中庭に水たまりがないようにしましょう。特に、蚊は水たまりを産卵場所とするため、水はきちんと排水するようにしましょう。
- 虫除けスプレー:市販の虫除けスプレーを使用するのも一つの手段です。ただし、人やペットに影響がないか確認してから使用しましょう。
- プロの害虫駆除業者に依頼:虫の種類や数によっては、プロの害虫駆除業者に依頼するのも一つの選択肢です。
これらの対策を試してみて、中庭での快適な時間を過ごしてください。
中庭がある家は何坪必要ですか?
中庭を設ける家の坪数は、中庭の大きさや家全体の設計によりますが、一般的には30坪以上が必要とされています。中庭を設けることで、自然光を取り入れることができ、開放感を感じることができます。しかし、中庭を設けるということは、その分、居住スペースが狭くなるというデメリットもあります。そのため、中庭の大きさや配置を考える際には、家全体のバランスを考慮することが重要です。また、プロの建築家や設計士に相談することをおすすめします。
中庭の固定資産税はいくらですか?
固定資産税は、土地や建物などの固定資産の価値に基づいて計算されます。中庭自体は固定資産とは見なされず、固定資産税の対象とはなりません。しかし、中庭があることで家全体の価値が上がると、その分固定資産税が高くなる可能性があります。具体的な金額は、物件の場所や大きさ、建物の構造などにより異なりますので、最寄りの税務署に問い合わせてみてください。