家づくりコラム
新築時にカーポートの設置は必須?正しい選び方や注意点を把握しよう
目次
新築の一戸建てで駐車場をつくるときに、カーポートの設置を考える方は少なくありません。カーポートを設置すると愛車を守ったり、悪天候の日でも乗り降りしやすかったりするメリットが複数ありますが、それなりの費用がかかるため選び方が重要です。この記事では、新築時にカーポートのメリット・デメリットや設置費用、選び方、設置する際の注意点などを解説します。カーポートの設置で悩んでいる方は、ぜひお役立てください。
カーポートとは?
カーポートとは、屋根と柱で構成された簡易的な車庫のことです。車を直射日光や雨から保護する役割を果たし、四方が開放されていて通気性があり、車の出し入れや荷物の積み下ろしがスムーズなのが特徴です。ガレージとの違いは、主に開放感と構造にあります。カーポートは側面が開いているのに対し、ガレージは壁があって閉鎖的な空間で、プライバシーが確保されています。カーポートのほうが簡易的なつくりをしているため、設置費用が安く、施工も短期間です。
新築時にカーポートを設置するメリット・デメリット
マイホームの新築時にカーポートを設置するとさまざまなメリットがある一方で、デメリットに感じることもあります。まずはどのようなメリット・デメリットがあるのか、以下でそれぞれ確認していきましょう。
メリット
新築時にカーポートを設置するメリットは、主に以下の4つです。
雨の日の乗り降りがスムーズ
屋根のない駐車場に車を停めていると、雨の日の車の乗り降りや荷物の積み下ろしが不便です。カーポートがあれば、傘をさす手間が省けて人も荷物も濡れずに済みます。特に小さい子どもや高齢者がいる家庭は重宝するでしょう。たいていの雨はカーポートの屋根で防げます。
車の雪下ろしが不要
カーポートの屋根があれば、車の積雪も防いでくれます。積雪量の多い地域では雪が降ると車にも雪が積もるため、車に乗る前に雪を落とさなければいけません。特に温度が低くて雪が凍ってしまうと、凍りついた雪を落とすのに時間と労力が必要です。カーポートを設置していれば車に雪が積もらないため、車の出し入れがスムーズになるでしょう。
車の汚れ・劣化を防げる
カーポートがあれば、雨風による汚れや紫外線による劣化を防げるので、車を綺麗な状態で維持しやすい点もメリットです。車に使用されているゴムや樹脂などのパーツ、ボディの塗装は紫外線の影響を受けやすい性質があるため、傷みやすくなってしまいます。また、カーポートを設置すれば屋根がある分、雨風が激しい日の落下物によるキズも防げるでしょう。
太陽光パネルを設置可能
カーポートの屋根に太陽光パネルを設置することも可能です。一般的には家の屋根に太陽光パネルを設置するケースが多いですが、家の外観デザインをこだわってつくっている場合、屋根に太陽光パネルを設置したくないと考えることもあるでしょう。家の外観を損ねたくない場合に、カーポートの屋根を活用するのがおすすめです。ただし、太陽光パネルの重量に耐えられる素材や構造のものを選ぶ必要があるので注意しましょう。
デメリット
新築時にカーポートを設置するには、主に以下のような2つのデメリットがあります。
車の台数・サイズが制限される
ライフスタイルの変化により、必要なカーポートの広さが変わると少々面倒です。新築当時は良くても、住み続けると駐車する車の台数が増えたり、家族が増えたりする可能性があり、既存のカーポートでは対応できないかもしれません。一度カーポートを設置してしまうと、それに応じた車の台数・サイズに制限されてしまう点には注意が必要です。
追加の工事費用がかかる可能性がある
上記のような理由でカーポートの広さを大きくしなければいけない場合は、別途追加の工事費用がかかります。新築時には住宅ローンに組み込むことができた場合でも、追加の費用となると、工事完了時に支払う必要があります。大きな出費となるため、家の修繕などに充てられる資金の積み立てが大切です。
新築時のカーポートの設置費用
新築時にカーポートを設置する場合の費用は、50万〜100万円程度です。駐車台数やカーポートの素材、デザイン、性能、地域などによって費用は異なります。柱が片側のものや駐車台数が少ないほど、費用は安価です。ただし、積雪量の多い地域では雪に耐えられる耐久性のカーポートを選ぶ必要があり、費用も高額になるため注意しましょう。
カーポートの選び方
サイズ
カーポートのサイズは、間口・高さ・奥行きで決まります。車のサイズに合わせて以下を目安に選びましょう。
- 間口(幅):車幅+100~150cm
- 高さ:車の全高+30〜50cm
- 奥行き:車の全長+60cm以上
既製品のカーポートは、車の台数に応じて一般的なサイズでつくられています。現在所有する車の台数で考えるのではなく、将来のライフスタイルを見越してサイズを決めると良いでしょう。
柱
カーポートの柱の種類は、以下の3つに分けられます。
- 片側支持タイプ
- 両側支持タイプ
- 後方支持タイプ
片側支持タイプは柱が少ないため、限られたスペースでも乗り降りしやすいのが特徴です。一方で、両側支持タイプは間口の大きな駐車場や積雪量、対風圧など厳しい条件にも対応できます。後方支持タイプのカーポートは前に柱がないので見通しが良く、車を出し入れしやすいのが魅力です。車の利用頻度が高い方の希望に合わせると決めやすくなるでしょう。
性能
カーポートは地域の特性に合わせて選ぶことも大切です。特に積雪量の多い地域や強風地域では、強度が不足したカーポートを設置するとカーポートの破損の恐れがあり、車や人的被害につながる可能性があります。強風の多い地域では、地域の風圧に対してワンランク上の対風圧強度を持つカーポートを選びましょう。積雪量の多い地域では、地域の積雪量に対応した強度のカーポートを選ぶ必要があります。
価格
カーポートの価格は台数やグレード、機能性、デザインなどによって異なります。同じ台数でも性能などによって費用に幅があるので、予算に応じて選びましょう。予算に余裕がある場合は、サイドパネルや外部コンセントなどのオプションを設置することも可能です。
メーカー
カーポートはメーカーによっても強みが異なります。1つのメーカーの中でも商品は豊富にあるため、カーポートを選ぶ際はメーカーのカタログやホームページを参考にして、好みのメーカーに絞って選ぶと良いでしょう。
新築時にカーポートを設置する際の注意点
ここからは、カーポートを設置して後悔しないために、新築時にカーポートを設置する際に注意したい3つのポイントを紹介します。
家とカーポートの位置関係を把握する
カーポートを設置する際は、家との位置関係を把握することが大切です。カーポートを設置することで室内の日当たりに影響はないか、車の出し入れがしやすいか、雪が降る地域では除雪しやすいかどうかを考えてみましょう。特に車の出し入れのしやすさは、車の利用頻度が高い方にとって重要です。前面道路に対して駐車場の間口や奥行きをどの程度取れるかで変わるため、設計時から注意しておきましょう。
カーポートの大きさを考慮する
カーポートの大きさを決めるときは、車を将来買い替えてサイズが大きくなったときのことも考慮して決めておくと安心です。例えば、現在所有する車でギリギリのサイズのカーポートを設置すると、車が変わったときに対応できないかもしれません。また、カーポートはBBQや子どもの遊び場としても活用できます。駐車以外の用途でも使用することを考えて、大きめのサイズにしておくと良いかもしれません。将来の暮らしをイメージすると、どの程度の大きさにするのが良いか決めやすくなるでしょう。
家や外構とのデザインに合わせる
カーポートは商品によって素材やデザイン、色がさまざまです。家の外観や門、フェンスなどとカーポートのデザインが合っていないと、家全体を見たときにちぐはぐな印象になってしまいます。カーポートを選ぶ際は、ほかの外構と同様に、家全体のバランスを考えてデザインを統一することが大切です。
将来を見越して自分たちに合ったカーポートを設置しよう
カーポートを設置するにはある程度費用がかかりますが、新築時に設置することで住宅ローンに組み込むことが可能です。愛車を綺麗に保ち、快適な生活を送るためにも選び方に注意して自分たちに合ったカーポートを設置するようにしましょう。
キノエデザインでは、長く快適に暮らせる「深呼吸する家」をご提案しています。新築でカーポートを設置したい場合は、お客様ごとに最適なカーポートの大きさやデザインのご提案が可能です。注文住宅を検討している方は、ぜひお気軽にご相談ください。
新築のカーポートに関するよくある質問
カーポートは建築法違反ですか?
カーポート自体が建築法違反というわけではありません。しかし、カーポートを設置する際には、建築基準法や都市計画法などの法律に基づいた規制を遵守する必要があります。例えば、敷地内の建築物の建築面積や建築率、道路への接道条件などが規定されています。これらの規定を無視してカーポートを設置した場合、建築法違反となります。また、地域によっては条例でカーポートの設置に制限がある場合もあります。したがって、カーポートを設置する際には、事前に地方自治体や専門家に相談することをお勧めします。
カーポートを建てるタイミングはいつですか?
カーポートの建設タイミングは、主に以下の3つのシチュエーションが考えられます。
- 新築一戸建てを建てる際:新築一戸建てを建てる際に同時にカーポートを設計・建設することが一般的です。これにより、家とカーポートのデザインを一体化させることが可能となり、外観の統一感を出すことができます。
- リフォームや外構工事を行う際:既存の家にカーポートがない場合や、古くなったカーポートを新しくする際には、リフォームや外構工事のタイミングでカーポートの建設を行います。
- 車を新たに購入した際:新たに車を購入し、駐車スペースが必要になった際にもカーポートの建設を検討します。車の保護や家の外観向上のためにも、カーポートの設置は有効です。
これらのタイミングは一例であり、ご自身のライフスタイルや予算に合わせて最適なタイミングを選ぶことが重要です。
カーポートを建築確認申請しないとどうなる?
カーポートの建築確認申請を行わないと、以下のような問題が生じる可能性があります。
- 法的な問題:建築基準法に違反すると、建築主に対して行政指導や罰則が科せられる可能性があります。また、無許可で建築した場合、後から建築確認を受けることはできません。
- 保険の問題:無許可で建築したカーポートが災害などで損壊した場合、保険が適用されない可能性があります。
- 近隣トラブル:建築基準法や地方自治体の条例に違反する建築は、近隣住民からの苦情や訴訟の原因となる可能性があります。
- 不動産の価値:無許可で建築したカーポートは、不動産の価値を下げる要因となります。将来的に物件を売却する際に、価格が下がる可能性があります。
以上の理由から、カーポートの建築には必ず建築確認申請を行うことをお勧めします。
カーポートは税金の対象になりますか?
はい、カーポートは固定資産税の対象となります。固定資産税は、土地や家屋、構造物などの固定資産を所有している者に課される税金で、カーポートもその一部として課税されます。ただし、カーポートの価格や設置地域によって課税額は異なりますので、具体的な金額を知りたい場合は、お住まいの市町村の役所に問い合わせてみてください。