家づくりコラム
固定金利と変動金利の違いとは?メリットデメリットや選び方を紹介
目次
住宅ローンを組む際、固定金利と変動金利の2つの金利タイプからどちらかを選択します。
変動金利は金利が低いため人気がありますが、利率だけで決めるのは避けるべきです。
住宅ローン選びで失敗しないためにも、金利タイプの特徴を正しく知ることが大切です。
本記事では、固定金利と変動金利の特徴やメリット・デメリット、金利動向などを解説します。
金利タイプの選択に悩んでいる方や、金利タイプがよくわからず住宅の購入を悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
固定金利と変動金利の違い
住宅ローンの金利タイプは、固定金利と変動金利の2種類です。
固定金利と変動金利はそれぞれ金利が異なるため、住宅ローンの総支払額や毎月の返済額に影響します。
まずは2つの金利タイプの特徴と、それぞれのメリット・デメリット、向いているケースを把握しておきましょう。
固定金利とは
固定金利は住宅ローンの借入時から金利を固定できるタイプで、以下の2種類に分けられます。
- 固定金利期間選択型:借入時から一定期間金利が固定される
- 全期間固定金利型:借入時から完済まで金利が固定される
固定金利期間選択型の期間は3年、5年、10年、20年から選択可能です。
一般的には固定期間が長ければ長いほど、適用される金利も高くなります。
ただし、期間中は金利水準がどれだけ上がっても、契約者の金利に変動はなく、毎月の返済額も変わりません。
一定期間終了後は、もう一度固定金利を選択、もしくは変動金利に変更できます。
メリット
固定金利を選択するメリットは、金利が固定されているため毎月の支払額に変動がなく安心感がある点です。
変動金利は金利水準が上がると住宅ローンの返済額も上がりますが、固定金利は市場金利に左右されません。
住宅ローンの金利が上昇しても家計に影響しないため安心です。
また、変動金利のように未払い利息が発生することがない点もメリットです。
返済額が一定のため、資金計画が立てやすいでしょう。
さらに、期間選択型を選んだ場合は、定期的に金利タイプを見直せます。
マイホーム購入後は教育費の捻出やマイカーローン、介護費用などさまざまな出費が想定されますが、固定金利期間選択型は家計の状況に応じて柔軟に選択できるのが特徴です。
デメリット
固定金利は、一般的に変動金利と比べて金利が高く設定されています。
そのため将来金利が下がると、支払利息や返済総額が変動金利を選択した場合よりも多くなります。
また、固定期間中は住宅ローンの金利が下がったとしても、金利タイプや期間は変更できません。
住宅ローンをほかの金融機関に借り換えることはできますが、金利は下がるものの、事務手数料や保証料などの諸費用が発生する上に、借入残高や借入年数、金利差によっては借り換えしてもメリットを感じられない場合もあります。
借り換えを選択する場合は、総合的に見て得をするのかどうか見極めが必要です。
向いているケース
固定金利を選択すると、メリットが大きいケースは次のとおりです。
- 金利上昇リスクを避けたい
- 貯蓄に余裕がない
- 収入に対する借入比率が高い
金利が上がった際に月々の返済額を増やせるほど貯蓄や収入に余裕がない場合は、資金計画が立てやすい固定金利が向いています。
固定金利であれば決められた期間の返済額が同じなので、金利が上昇してもリスクを防げます。
変動金利とは
変動金利は借入時から完済するまで、金融市場や経済状況などに応じて定期的に金利が見直され、適用金利が変動する金利タイプです。
固定金利と比較すると、変動金利は一般的に金利が低く設定されています。
金利の見直しは半年ごとに行われていますが、返済額は5年ごとに変更されるため、金利水準が上がったからといって急に返済額も上がるわけではありません。
また、見直し後の返済額は、直前の返済額の125%が上限のため、大幅な変動は少ないでしょう。
ただし、返済額が125%以上高くなった場合は、差額分が免除されるわけではなく、次回に繰り越されます。
毎月の返済額に影響はなくても、総支払額には影響する点を把握しておくことが重要です。
メリット
変動金利のメリットは、固定金利よりも金利が低く設定されている点です。
半年ごとに金利が見直されたとしても、金利上昇がなければ低金利のままで、固定金利よりも総支払額を安く抑えられます。
金利が下がれば毎月の返済額や総支払額も安くなりますが、金利が下がったからといってすぐに毎月の返済額も安くなるわけではありません。
住宅ローンの金利の見直しは半年ごと、月々の返済額の見直しは5年ごとです。
金利が下がっても翌月から返済額が下がるわけではありません。
一方で、金利が上がった場合は固定金利に切り替えられる点もメリットです。
金利上昇の兆しがあるとわかった時点で固定金利に変更すれば、その後の返済額を抑えられる可能性があります。
デメリット
変動金利のデメリットは金利上昇のリスクがあり、返済計画を立てにくい点です。
変動金利を選択すると金利が上昇した際に、月々の返済額も増加します。
将来的に金利が上昇して、返済額が高くなる可能性がないとは言い切れないため、柔軟に対応できる資金力が必要です。
5年ルールや125%ルールがあるため、たとえ金利が上がったとしても返済額は急に高騰しませんが、内訳には注意しなければなりません。
例えば、月々の返済額の内訳が元本8万円、利息2万円だった場合、金利が上がることで元本6万円、利息4万円に変更になる可能性があります。
つまり、毎月の返済額は同じでも元本の返済スピードが遅くなり、結果として返済総額は大きくなるということです。
ただし、5年ルールや125%ルールはすべての変動金利に適用されるわけではないので、事前に確認した上で住宅ローンに申し込みましょう。
向いているケース
変動金利を選択するとメリットが大きいケースは、次のとおりです。
- 返済期間が短い
- 借入比率が低い
- 資金に余裕がある
- 金利の推移をチェックできる
万が一金利が上昇してもリスクが少ない、もしくは貯蓄で対応できる場合は、変動金利を選ぶと良いでしょう。
金利が低い分だけ元本の減りも早いため、返済効率も良くなります。
また、こまめに金利の推移を確認し、必要に応じて金利タイプを変えるなど、適切に行動できるタイプの方も変動金利に向いているといえるでしょう。
金利の動向
2023年2月現在、変動金利は低金利の状態が続いており、前月からの変動はほとんどありません。
一方で、固定金利は金融機関によって金利が上下に変動しています。
住宅ローンは30年以上の返済プランで借り入れる方が多く、今後30年以上先の金利を予測するのは困難です。
10年以上プライムレートは変動していませんが、今後も変動しないとはいえません。
また、「長期プライムレートの金利上昇」などと発表されていますが、長期プライムレートに連動しているのは固定金利です。
変動金利は短期プライムレートに連動するため、現在のような金利上昇の影響は受けにくいといえるでしょう。
金利タイプの選び方
住宅ローンの金利タイプを選ぶ際、単純に契約時の金利状況だけで選ぶと将来的に後悔する可能性があります。
金利タイプ選びは、以下2つのポイントを押さえておきましょう。
- 契約時・今後の金利状況を考慮して選ぶ
- ライフスタイルに合わせて選ぶ
選び方のポイントを解説していきます。
契約時・今後の金利状況を考慮して選ぶ
金利タイプは、住宅ローン契約時の金利状況や将来の金利を見据えて選ぶことが大切です。
次のように、状況に応じて最適な金利タイプを選択します。
- 金利が低い時期で今後上がりそうな場合は長期の固定金利タイプ
- 金利が高く今後下がりそうな場合は変動金利タイプ
- 短期の固定金利で期間終了後の状況の変化に応じて金利タイプを選ぶ
長ければ30年以上返済が続くため、金利相場に変動があることを踏まえて考えましょう。
ライフスタイルに合わせて選ぶ
ライフスタイルに合わせて金利タイプを決める際は、家族構成がポイントになります。
子どもが小さい場合は、教育費の積み立てと住宅ローンの返済が同時進行になるでしょう。
したがって、子どもの教育費と住宅ローンの返済のバランスを考えて資金計画を立てることが大切です。
- 子どもが独立している家庭は変動金利
- 夫婦2人家族の家庭は変動金利
- 子どもの教育費が今後も必要な家庭は固定金利
上記のような考え方を目安の一つとし、家庭の状況に応じて無理なく返済できる金利プランを選びましょう。
今後の動向に注目しながら自分に合った金利タイプの選択を
住宅ローンの金利タイプは固定金利と変動金利の2種類があり、固定金利の場合は期間終了後まで月々の返済額が一定ですが、変動金利は金利動向に影響されて月々の返済額も変動します。現在の金利や今後の金利、家庭の状況を考慮して金利タイプを選択することが重要です。資金面の相談をしながら家づくりを進めたいとお考えの方は、お気軽にキノエデザインにご相談ください。