家づくりコラム
こどもエコ住まい支援事業とは?新築住宅の購入に活用したい理由
目次
住宅は一生で一番といって良いほど、金額の大きな買い物です。物価高騰の影響もあり住宅価格も高騰している中、補助金をうまく活用し住宅購入費を抑えたいと考える方も多いでしょう。
国が行っている補助金制度の一つに、ZEHレベルの住宅を建築・購入する子育て世帯を対象とした「こどもエコ住まい支援事業」があります。
本記事では、こどもエコ住まい支援事業の内容や活用する際の注意点、ZEHレベルの住宅の魅力などについて解説します。
これから新築住宅の購入を検討している方や、こどもエコ住まい支援事業の詳細を知りたい方はぜひ参考にしてください。
なお、本記事は2023年2月1日時点の情報をもとに掲載しています。
こどもエコ住まい支援事業について
新築住宅を購入する際、補助金や支援制度を活用したいと考える方は少なくありません。
住宅に関する補助金の中で、ZEHレベルの住宅を購入する子育て世帯を対象とした支援事業が「こどもエコ住まい支援事業」です。
以下に、支援事業の詳細や申請方法などを紹介します。
こどもエコ住まい支援事業とは
こどもエコ住まい支援事業とは、子育て世帯や若者夫婦世帯が住宅の購入やリフォームを行う際、ZEHレベルの高い省エネ性を確保した住宅に対し補助金を助成する制度です。
こどもエコ住まい支援事業は国土交通省による政策の一つで、省エネ性に優れた住宅の取得を支援することにより、2050年のカーボンニュートラルを実現することを目的としています。
対象・条件
こどもエコ住まい支援事業の対象となるのは、令和4年4月1日時点で18歳未満の子どもがいる世帯、もしくは夫婦のいずれかが39歳以下の夫婦世帯です。
令和5年3月末までに工事着手を行うものについては、令和3年4月1日時点の同条件に当てはまる世帯が対象となります。
補助対象となる住宅の条件は、「ZEH住宅」もしくは令和4年10月1日以降に認定申請を行った「認定長期優良住宅」「認定低炭素住宅」「性能向上計画認定住宅」のいずれかに該当することです。
また、令和4年11月8日以後に基礎工事より後の工事を行うことも条件となっています。
その他、延べ床面積が50㎡以上であることや、建物の立地が土砂災害特別警戒区域に該当しないことも対象要件に指定されています。
申請の流れ
こどもエコ住まい支援事業の申請は、建築主ではなく事業者(建築事業者・販売事業者・工事施工業者)が行います。
大まかな流れを把握し、申請忘れのないよう備えましょう。
①事業者がこどもエコ住まい支援事業の事業者登録を行う
②建築主と事業者が建築請負契約を締結する
③建築着工(※2022年11月8日以降)
④事業者が交付申請を行う(※2023年12月31日までの予定)
⑤交付決定後、事業者に補助金を交付
⑥竣工・引渡し
⑦建築主に補助金が還元される
⑧事業者が完了報告を行う(※戸建て住宅の場合、2024年7月31日まで)
こどもエコ住まい支援事業は2023年12月31日までを予定していますが、予算がなくなり次第終了します。
交付申請は着工してからとなるため、補助金の活用を検討している方は早めに建築会社やリフォーム業者を決めるようにしましょう。
補助金
こどもエコ住まい支援事業の補助金額は、注文住宅の建築や分譲住宅の購入1戸につき100万円です。
また、省エネ性を高めるリフォームに対しても1戸につき最大60万円が補助されます。
住宅リフォームの補助に関しては、工事箇所や改修後の省エネ性能レベルによって細かく金額が決められているため、詳細は国土交通省のホームページでご確認ください。
対象となる住宅について
こどもエコ住まい支援事業の対象となるZEHレベルの住宅とは、前の段落でも紹介したように「ZEH住宅」「認定長期優良住宅」「認定低炭素住宅」「性能向上計画認定住宅」の4つです。
ここでは、そのうちのZEH住宅と認定長期優良住宅について詳しく解説します。
ZEH住宅とは
ZEHとはNet Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略です。
簡単にいうと、家庭で創りだすエネルギーが生活で消費するエネルギーを上回ることで、エネルギーの消費を正味ゼロ、もしくはそれ以下に抑えられる住宅を指します。
太陽光発電によりエネルギーを生み出すため、太陽光パネルの設置はZEH住宅の必須条件といえるでしょう。
住宅の省エネ性を高めるには、エネルギーを創るだけでなくエネルギーの消費量を抑えることも大切です。
住宅そのものの性能を上げたり省エネ性の高い設備を使ったりすることもあり、ZEH住宅には省エネ・断熱・創エネの3つが必須要件とされています。
また、ZEH住宅は省エネレベルに応じて「ZEH」「 ZEH Oriented(ゼッチ オリエンテッド)」「ZEH +(ゼッチプラス)」の3種類に分類されているのも特徴です。
認定長期優良住宅とは
長期優良住宅とは、国から「長きにわたって安心して住み続けられる」と認められた住宅を指します。
ZEHと同様に高い省エネ性を確保していることに加え、耐震性の高さや維持管理のしやすさなども認定基準に含まれます。
認定に必要な住宅性能表示制度の等級は以下のとおりです。(令和4年10月1日改正)
- 耐震等級3
- 断熱等性能等級5かつ一次エネルギー消費量等級6
- 維持管理対策等級3
- 劣化対策等級3かつ構造の種類に応じた基準
など
その他、床下空間を330mm以上確保することや、75㎡以上の延床面積を有するなどの条件も定められています。
ZEHレベルの住宅の魅力
ZEHレベルの住宅は、住む人にとっても地球環境にとってもメリットのある住宅といえます。
第一のメリットは、光熱費を抑えられることです。
エネルギー価格が高騰している昨今、光熱費がかからないことは家計を守ることにつながります。
また、住宅購入の際に補助金と併用して税制優遇も受けられるため、長期的な節約効果も見込めるでしょう。
また、ZEHレベルの住宅はエネルギーの消費を抑える目的で断熱性や気密性を高めているため、快適な住空間を保てることも魅力です。
室内が外気の温度や湿度に左右されないため、夏は涼しく冬は暖かい家を実現します。
室内の温度を一定に保つことでヒートショックのリスクも防げるため、住む人の健康に役立つ住宅ともいえるでしょう。
さらに、化石燃料で発電したエネルギーを使用しないため、地球環境にやさしいことも特徴です。
こどもエコ住まい支援事業を活用する際の注意点
ここからは、こどもエコ住まい支援事業を活用する際の注意点について解説していきます。
要件を満たして補助金交付を受けるために、以下のような点に気をつけて申請を進めていきましょう。
ほかの優遇制度との併用
政府が行っているZEHレベルの住宅に関する補助金制度は、こどもエコ住まい支援事業のほかにもいくつかあります。
それぞれ併用できるものとできないものがあるため、複数の事業の対象となる建築主はよりお得なほうを選びましょう。
以下に、併用できる補助制度と併用できない補助制度を紹介します。
併用できる補助制度
- 住宅ローン減税(最大5,000万円)
- 住まいの復興給付金
- 贈与税の非課税枠(最大1,000万円)
- 外構部の木質化対策支援事業
併用できない補助制度
- ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)支援事業
- 地域型住宅グリーン化事業
ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)支援事業と地域型住宅グリーン化事業は、こどもエコ住まい支援事業とは条件が異なるため、こどもエコ住まい支援事業の対象とならない世帯でも適応できる可能性があります。
気になる方はチェックしてみてください。
予算枠が決まっている
こどもエコ住まい支援事業は予算が1,500億円と定められており、予算上限に達した時点で終了します。
交付申請期限は遅くとも2023年12月31日とされていますが、予定より受付を締め切ることもあるため注意が必要です。
建築会社が補助金の交付申請を行えるのは、工事が着工してからです。
家づくりは土地探しや住宅ローン審査、プラン設計など多くの工程と期間を必要とするため、スムーズに進められるよう事前にプランを立てておきましょう。
建築会社が対応可能か
こどもエコ住まい支援事業の補助を受けるには、前提として依頼する建築会社がZEHレベルの住宅に対応していること、またこどもエコ住まい支援事業の事業者登録を行うことが必須です。
すべての建築会社が事業者登録を行うわけではないため、あらかじめ補助金申請の対応可否を確認しておく必要があります。
そもそもZEHレベルの住宅に対応していない建築会社も多いため、建築会社選びは慎重に行いましょう。
こどもエコ住まい支援事業でお財布にも環境にもやさしい家づくりをしよう
こどもエコ住まい支援事業は、ZEH住宅をはじめとする省エネ住宅を購入する際に活用できる、主に子育て世帯向けの補助制度です。
ZEHレベルの住宅はCO2削減に貢献できるだけでなく、経済性や快適性の向上にもつながります。
これから住宅の建築や購入を検討している方はぜひ補助金制度を活用し、ZEHレベルの住宅を採用してみてください。
キノエデザインでは、標準仕様で長期優良住宅の認定を取得しており、ZEHにも対応できる家づくりを提案しています。
快適性能と自然素材を使った心地良い家で健康的な暮らしを実現したい方は、ぜひ一度ご相談ください。