家づくりコラム
洋風の瓦屋根とは?種類やメリット・デメリットをわかりやすく解説
目次
海外だけでなく、日本の住宅でも洋風の瓦屋根はよく使用されています。
注文住宅を建てる際、見た目や全体的なバランスを見て選んでしまいがちですが、瓦の種類や特徴、メンテナンス方法を知っておくことも大切です。
この記事では、洋風瓦屋根の種類やメリット・デメリット、正しいメンテナンス方法についてわかりやすく解説していきます。
これから注文住宅を建てる方や屋根のリフォームを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
洋風の瓦屋根(洋瓦)とは
洋風の瓦屋根は海外の住宅に使われている瓦屋根で、外観にこだわりのある方によく選ばれています。
具体的にどのような特徴があるのか、形状や主原料の種類、和瓦との違いから解説していきます。

形状
洋風瓦屋根の形状は以下の3種類です。
- S型(スパニッシュ瓦)
- F型(平板瓦)
- 混ぜ葺き仕様
S型は丸みのある立体的なデザインで高級感のある仕上がりになり、洋風建築に向いています。F型は「Flat」の頭文字を使った呼び方で、太陽光パネルも設置しやすく最も流通数が多い形状です。
凹凸が少ない平らなデザインが多く、和風建築に向いています。
混ぜ葺き仕様は色を焼き付けており、あえて色むらを出しています。個性的な屋根にしたい方に最適でしょう。
主原料
洋風の瓦屋根は、主原料の種類によって耐久性や価格、メンテナンス時期がそれぞれ異なります。
使用される主原料は、主に以下の4つです。
- 粘土瓦
- セメント瓦
- モニエル瓦
- 金属瓦
粘土瓦の特徴は、耐久性が高いことです。寿命は50年と長く洋風の瓦屋根の中で最も多い瓦で、塗装やメンテナンスの必要がありません。
セメント瓦はセメント、モニエル瓦は軟化コンクリートで作られているのが特徴です。10〜20年に一度のメンテナンスが必要ですが、現在はほぼ製造されていません。金属瓦は耐久性が高いうえに軽量で、人気が高いのが特徴です。約20年に一度の頻度で塗装メンテナンスを行う必要があります。
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和瓦との違い
洋風瓦屋根と和瓦の大きな違いは、見た目や形状です。
和瓦は緩やかな曲線状であるのに対して、洋風瓦屋根はS字や平らな形をしています。
また洋風瓦屋根はオレンジや赤、緑などのカラフルな瓦が多いのに対し、和瓦はカラーバリエーションが少なく重厚感のあるデザインです。
和風の建物と相性が良く、「Japanese」の頭文字を取ってJ型瓦ともいわれています。
洋風瓦屋根のメリット・デメリット
家の印象を明るくする洋風瓦屋根ですが、見た目だけでなくメリットやデメリットを理解したうえで選ばなければなりません。
洋風瓦屋根のメリット・デメリットについて、以下で詳しく解説します。

洋風瓦屋根のメリット
洋風瓦屋根のメリットは、主に以下の4つです。
- デザイン性が高く種類が豊富
- 耐久性が高い
- 断熱性に優れ通気性が良い
順番に解説します。
デザイン性が高く種類が豊富
洋風瓦屋根は色やデザインの種類が豊富にあるため、理想の仕上がりイメージを実現できるでしょう。
和瓦は、重厚感があるものの、色が暗くなりがちです。一方で洋風瓦屋根の場合、色が豊富にあり、個性的な外観にしたい方には最適でしょう。
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耐久性が高い
洋風瓦屋根は、耐用年数が40〜60年ほどと長く、原料が粘土であれば、メンテナンスが不要です。
セメントやモルタルの瓦であってもメンテナンス頻度は10〜20年に一回と、コストパフォーマンスが高いのも魅力的です。
断熱性に優れ通気性が良い
風瓦屋根は内部が空洞になっているため、通気性が良く結露しにくいという特徴もあります。高温多湿の日本では、通気性の良さは必須条件といえるでしょう。断熱性も優れているため、一年中快適に過ごせる空間づくりが可能です。
洋風瓦屋根のデメリット
洋風瓦屋根のデメリットは、以下の3つが挙げられます。
- 施工費が高い
- 重量が重く耐震性に劣る
- デザインが変わり廃番になりやすい
それぞれ見ていきましょう。
施工費が高い
瓦屋根は一般的に費用が高い傾向にありますが、それは洋風瓦屋根も同様です。なかでもS型は施工に高い技術が必要で、費用も高額になるため注意しましょう。
施工業者も通常の屋根に比べて少ないため、その分高額になる傾向があります。ただし塗装などのメンテナンス費用がない分、長期的に見るとコストパフォーマンスが高い可能性があるでしょう。
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重量が重く耐震性に劣る
洋風瓦屋根は、スレートや金属よりも重いため屋根や建物全体に負担がかかりやすく、耐震に強いとはいえません。
特に日本は地震が多いため、注意が必要です。
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デザインが変わり廃番になりやすい
和瓦に比べると廃番になるデザインが多いというのも、種類が豊富な洋風瓦屋根ならではのデメリットです。
瓦屋根をメンテナンスする際に、同じ製品を使って直してもらいたいと思っても、すでに生産・販売終了になっている可能性があります。そのため、以前と全く同じ外観に直せるとは限りません。
洋風瓦屋根のリフォーム費用

同じ家に長く住み続けるには定期的なメンテナンスが必要ですが、全体的に瓦の劣化が激しい場合は屋根のリフォームを実施しましょう。
洋風瓦屋根のリフォーム費用は、1㎡あたり8,000〜15,000円です。
一般的な戸建ての屋根面積は80〜120㎡程度なので、リフォームにかかる費用は64万〜180万円程度となります。
ただし、実際には屋根のリフォーム費用だけでなく、既存屋根の撤去費や下地補修費、防水シート代、足場の設置費用なども発生します。
既存屋根の種類や勾配、形状によって設置費や撤去費が大きく変動するので事前に見積もりを依頼して、費用の内訳や工事内容を確認しておきましょう。
洋風瓦屋根のメンテナンス方法

洋風の瓦屋根はデザイン性が高いうえに耐久性に優れて人気がありますが、経年劣化は免れられるものではなく、定期的なメンテナンスは欠かせません。
そこで、以下では洋風瓦屋根のメンテナンス方法を紹介します。
定期的に適切な方法でメンテナンスを行い、少しでも長く綺麗な状態を維持しましょう。
劣化症状
実際にメンテナンスが必要な劣化の症状は、瓦を支える漆喰の劣化や瓦のズレ・ひび割れ・劣化などです。
施工から10年が過ぎると、経年劣化により前述のような症状が見えてきます。
また、台風や地震は劣化の進行を早める大きな原因です。
さらに、屋根の細かい部分の劣化や破損が進み、損傷や劣化を放置すると雨漏りを引き起こす可能性もあります。
瓦自体の耐久年数は40〜60年と長めですが、漆喰の寿命は10〜20年ほど。
そのため、なるべく早期発見・早期修繕を心がけましょう。
メンテナンス時期
上述のとおり、洋風瓦屋根は10年が経過すると徐々に劣化が進行していくため、10〜20年に一度の周期でメンテナンスが必要です。
ただし、瓦の主原料によってメンテナンス時期や症状が異なる点には注意しましょう。
目立った症状がなく「10年経っていないからまだ大丈夫」と思っていても、見えない部分が破損している可能性も考えられるため、定期的に業者に依頼して点検を行いましょう。
メンテナンスの時期より早くても、劣化が見られた場合は必要に応じて修繕することをおすすめします。
メンテナンス費用
洋風瓦屋根のメンテナンス方法と費用相場は以下のとおりです。
瓦のズレ、外れの場合
| 棟瓦の積み替え・積み直し | 8,500~19,000円/㎡ |
| 喰補修 | 2,200~7,000円/㎡ |
瓦の歪み、破損、防水シートの劣化の場合
| 葺き直し | 8,000~15,000円/㎡ |
| 葺き替え | 15,000~20,000円/㎡ |
メンテナンス費用はある程度かかりますが、瓦自体の耐久性は高いため定期的にメンテナンスを行えば長持ちさせられます。
メンテナンスを怠って大規模な修繕が必要になると費用はさらに高額になるため、定期的にチェックしましょう。
洋風瓦屋根のリフォームを検討するなら【キノエデザイン】で見積もりをとろう
洋風の瓦屋根は色や種類が豊富でデザイン性が高く、人気のある瓦です。
耐久性に優れている面もありますが、定期的なメンテナンスは欠かせません。
洋風の瓦屋根にリフォームするなら、正しくメンテナンスを行い長持ちさせましょう。
キノエデザインでは注文住宅の建築やリフォームを行っており、自由設計での家づくりが可能なため洋風瓦屋根も幅広く取り扱っています。
また資金相談も受けられるので、洋風瓦屋根を検討したいけど資金面が心配という方は、お気軽にご相談ください。
キノエデザインで建てるさまざまな住宅の施工例が見られるカタログを確認して、理想のお家をイメージしてみましょう。
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洋風瓦のデメリットは?
洋風瓦は美しい外観を持ち、耐久性も高いですが、いくつかのデメリットがあります。まず、瓦自体が重いため、建物の構造に負担がかかる可能性があります。特に地震が多い地域では、耐震性を考慮した設計が必要です。
また、瓦の設置には専門的な技術が必要であり、施工費用が高くなることがあります。瓦の色やデザインが限定されているため、選択肢が少ない点や表面が滑りやすくメンテナンスや清掃が難しいことがあります。
屋根は瓦とガルバリウムのどちらがよいですか?
屋根材の選択は、耐久性、メンテナンス、コスト、デザインなどの要素によって異なります。
瓦は伝統的な素材で、耐久性が高く、断熱性や遮音性にも優れていますが、重量があるため、建物の構造に影響を与えることがあります。
一方、ガルバリウムは軽量で耐久性があり、錆びにくくメンテナンスが比較的容易です。また、モダンなデザインに適しているため、現代的な住宅に人気があります。それぞれの特性を考慮し、住宅のデザインや地域の気候条件に合わせて選ぶと良いでしょう。
洋風瓦の耐用年数はどれくらいですか?
洋風瓦の耐用年数は、一般的に30年から50年とされています。ただし、実際の耐用年数は、使用される素材や施工の質、環境条件などによって異なる場合があります。
定期的なメンテナンスや点検を行うことで、耐用年数を延ばすことが可能です。また瓦自体は長持ちしても、下地材や防水シートなどの他の屋根材の寿命も考慮することが重要です。
瓦屋根の弱点は何ですか?
瓦屋根の弱点としては、まず重量があるため、建物全体の構造に負担がかかることが挙げられます。特に耐震性を考慮する必要がある地域では、建物の設計に注意が必要です。
また、瓦が割れたりずれたりすると雨水が侵入し、雨漏りの原因となることがあります。
瓦自体は長持ちしますが、定期的なメンテナンスが必要で、特に苔や藻が生えやすい環境では、清掃や防水処理が求められます。


