家づくりコラム
アレルギーの軽減効果もある漆喰の魅力とは?快適な家づくりの秘訣
目次
万漆喰壁は注文住宅を建てる際に人気です。
塗り方によって表情が変わるなど、見た目が楽しいのでデザイン重視で選ぶ方も多いかもしれません。
一方で、漆喰の性能についてはあまり詳しくないという方もいるのではないでしょうか。
本記事では、漆喰のメリットやデメリットをはじめ、漆喰がもたらす建物や身体への影響について詳しく解説します。
漆喰を理解し効果的に利用することで、快適な家づくりの実現にお役立てください。
漆喰とは?
漆喰とは、焼成した石灰石に水を加えた「消石灰」に、のりや繊維質を加えて水で練ったものです。
漆喰の主原料である消石灰のルーツはサンゴ礁のため、自然素材や天然の塗壁として、健康に気を配る家族を中心に人気を集めています。
漆喰壁の特徴の一つに、調湿効果があることが挙げられます。
調湿効果とは室内の湿度を調整してくれる機能であり、冬場の乾燥や夏場のジメジメした蒸し暑さを解消してくれるものです。
空気の層を多く含む壁が湿気を吸い取ってくれることから、「呼吸する壁」ともいわれています。
漆喰が持つ効果は他にもさまざまありますが、デザイン性に優れていることも特徴の一つです。
塗り方のバリエーションが豊富で多様な表情がつくれるため、温かみのある壁にしたい方や、遊び心を表現したい方などにおすすめです。
新築住宅に漆喰が選ばれる理由
建材や壁などにできるだけ天然のものを使った「自然素材の家」が注目を集める昨今、体に優しい塗壁の一つとして漆喰が選ばれています。
自然素材の家は家族の健康を守りたいと考える方にはもちろん、昔ながらの温かみのある日本の家を表現したい方にもぴったりです。
また、プロヴァンス風住宅のような洋風で可愛らしい雰囲気を表現したい場合にも漆喰の雰囲気はよく合います。
漆喰は職人さんが手塗りをしてくれるため、家ごとに表情が異なり、美しさを楽しめることも魅力の一つです。
健康や調湿効果、デザイン性など多くのメリットがある漆喰は、家づくりの際にぜひ検討したい壁材といえます。
漆喰を使うメリット・デメリット
以下では、壁材を漆喰にすることで得られる効果やメリット・デメリットを詳しく解説します。
注文住宅で漆喰の壁を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
メリット
漆喰にはさまざまなメリットがありますが、その一つにお手入れしやすいことが挙げられます。
毎日忙しく生活する中で、お手入れが簡単なことは実は大きなメリットです。
漆喰は静電気をため込まない性質上、ゴミやほこりが付着しづらく、年月が経っても汚れが目立ちにくいという特徴があります。
子どもが落書きをしてしまった場合も、上から薄く塗るだけできれいな状態に戻せるため、汚れたときの対応も簡単です。
また、漆喰は多孔質な天然素材のため調湿効果が高いことも大きなメリットです。
結露やカビ、ダニなどを抑制しやすいため衛生的であることはもちろん、一年中快適な室内空間をつくれます。
さらに、知られていない漆喰の特徴に、耐火性があることが挙げられます。
万が一家が火事に見舞われても燃えにくいため、防火対策としても役立つでしょう。
化学物質が含まれるビニールクロスは燃えると有毒ガスを発生する可能性がありますが、漆喰は自然素材のため有毒ガスの発生もほぼなく、安全性の面でも魅力的な壁材といえます。
その他、アレルギーの軽減作用もあることで知られています。どのような効果をもたらすのか、詳しくは後述します。
デメリット
漆喰は調湿効果が高い一方で、撥水性が低いという一面を持っています。
キッチンや洗面所などの水回りに使用する際は、撥水性を確保するための材料を追加するなど、何らかの対策が必要です。
特に色のついた水分が漆喰壁につくと、色が染み込んでしまう可能性があるため早急に対処しなくてはなりません。
また施工の手間や時間、初期コストが多くなりがちな面も漆喰のデメリットといえるでしょう。
漆喰は経年変化を楽しめ、きれいな状態が比較的長持ちするため長期的に見れば手間やコストが高いとは一概にいえません。
しかし、職人さんの手仕事である分、施工の際は時間も工賃も他の壁材と比較して多くかかることを覚えておきましょう。
加えて、漆喰は下地塗りや重ね塗りなど工程が多く乾燥にも時間がかかるため、仕上がりを待つ時間も必要となります。
また、施工後のひび割れにも注意しましょう。
地震などで建物に力が加わるとひび割れが発生しやすくなるため、下地処理を万全に行うなどの対策が必要です。
安全性の面では、漆喰は強アルカリ性のため、乾かないうちに直接触れたり、目に入れたりしないことも重要です。
乾くと表面は中性になるため、生活するうえでは問題ありません。
漆喰によって軽減する主なアレルギー症状
室内には目に見えないダニの死骸やフン、カビ胞子、揮発性有機化合物などのアレルゲンが多く存在します。
それらの有害物質によって引き起こされるアレルギーを軽減するのに効果的とされているのが漆喰です。
では、具体的にどのようなアレルギー症状に効果があるのでしょうか。
以下では主な3つを紹介します。
シックハウス症候群
新築住宅を建てた際リフォーム後に起こりやすいのが、シックハウス症候群です。
シックハウスの主な原因は、ビニールクロスや壁紙の接着剤に含まれる化学物質で、それによって目の充血や鼻水、頭痛、吐き気などさまざまな症状を引き起こします。
その点、漆喰は自然素材のため化学物質を含まず、壁材によるシックハウス症候群の発生率を抑えられます。
花粉症
花粉症は花粉を構成するたんぱく質が粘膜に付着し、作用することで発生します。
一度花粉症になると、投薬療法や免疫療法などで治療を始めても、完治するまでに3〜5年程度かかるとされており、できるだけ発症したくないものです。
漆喰は、調湿機能が優れていることや静電気をため込まない性質を持っているため、花粉を室内に寄せ付けず、また花粉の飛散も抑えられます。
漆喰壁であることが花粉症そのものの治療になるわけではありませんが、アレルゲンの軽減や花粉症の症状を抑えるのに役立っています。
ダニアレルギー
ダニアレルギーは、主にヒョウダニの死骸やフン、脱皮殻などが乾燥し、くだけたものが粘膜に付着することで発症するアレルギー症状です。
先述のとおり漆喰は優れた調湿機能を持つため、高温多湿を好むダニの発生を抑える効果があります。
また、強アルカリの性質を持つ漆喰は除菌効果も高く、カビを抑制する効果も期待できます。
漆喰が子育てに与える影響
子育てをするうえで、健康に配慮しつつ快適に暮らしたいと考える方は多いでしょう。
漆喰を壁材に選ぶことで、上記のように室内を快適に保ったり、有害物質を寄せ付けにくくしたりと身体への負担を少なくする効果が期待できます。
また経年変化を楽しめる漆喰によって、家と子どもが一緒に成長していくさまを感じられる点も魅力の一つです。
快適性が高まり家族みんなが機嫌良く過ごせることも、子育てに良い影響を与えるかもしれません。
安心できる環境で子育てがしたいと考えているなら、漆喰をはじめとした自然素材をたっぷり使った家づくりがおすすめです。
漆喰の効果を最大限に引き出すポイント
最後に、漆喰の効果を最大限に引き出すために事前に知っておきたいポイントを3つ紹介します。
漆喰は化学物質が調合されていないものを選ぶ
漆喰に混ぜられているのりや繊維質は海藻などの天然のものであることが多いですが、中には化学物質が調合されている製品も存在します。
家族の健康のために漆喰壁を選ぶのであれば、化学物質が含まれていないかどうか原料の確認が大切です。
特に、ホームセンターなどで手軽に買えるDIY用の漆喰には注意しましょう。
漆喰を適切に扱える職人に依頼する
漆喰は強アルカリ性のため、乾くまでに素手で触れるとかぶれてしまうなど危険な一面もあります。
そのため施工には豊富な知識とスキルが必要です。
特に下処理が不十分だと、早い段階でひび割れが発生するおそれもあるため、可能な限りその道のプロにお任せしたほうが安心です。
定期的にメンテナンスを行う
漆喰は汚れがつきにくいといっても、日々の生活を送る中でどうしても経年につれて多少の汚れがついてしまうものです。
簡単にできるメンテナンスとして、手垢などの軽い汚れは消しゴム、もしくは水に濡らしたメラミンスポンジで擦ると簡単に落とせます。
お茶やコーヒーがはねてしまった場合は、サンドペーパーを軽くかけて落とすことが可能です。
その際、施工から時間が経過した漆喰壁は、擦ったり削ったりした部分だけ色が変わってしまうことがあるため、全体のバランスを見ながら力を調節しましょう。
また漆喰はアルカリ性のため、酸性の洗剤を使うと中和して効果があまり得られなくなってしまうので注意が必要です。
すべての汚れを無理に落とそうとするのではなく、経年による汚れを味と考えて楽しむのも良いでしょう。
家族の健康が守れる家づくりを希望するなら【キノエデザイン】に相談しよう
健康で快適な家づくりをしたい家族におすすめの、漆喰壁について紹介しました。
小さい子どもがいる場合は特に、できるだけ安全な素材を使いたいものです。
漆喰壁は施工時こそ費用が多くかかりやすいですが、長い目で見ればコストパフォーマンスも良く、デザインや機能面などさまざまなメリットを得られるでしょう。
キノエデザインでは、健康を気遣う家族に寄り添い、自然素材をふんだんに使った「深呼吸する家」を提案しています。
漆喰をはじめ、自然素材の家を建てたいと考えている方は、ぜひ一度キノエデザインに相談してみてはいかがでしょうか。